しかし、最近は金融資産を保有しない「貯蓄ゼロ」の世帯も増えているのです。金融広報中央委員会では、毎年「家計の金融行動に関する世論調査」を行っています。以下のグラフは「金融資産を持っていない」二人以上世帯の比率です。
アンケートにおける金融資産には、日常生活に使われる資産は含まれていないので、「金融資産を持っていない世帯」でも何も資産を保有していないわけではありません。しかし、将来に備えるための貯蓄を保有していない世帯が3割を超える水準になっているのです。
さらに驚くべきは、年収1000~1200万の世帯で7.3%、1200万円以上の世帯で3.8%の世帯が貯蓄ゼロと回答していることです。
年収1000万を超える人は、給与所得者の4.5%しかいません。一般的には高給取りで金融資産もたくさん持っているというイメージですが、中には家計が火の車という世帯もあるのです。
年収と貯蓄は必ずしもイコールになりませんが、年収が多いほど貯金を貯めやすいという事実はあります。しかし、年収1000万円以上あっても、身の丈以上の支出をすると、生活が苦しくなる可能性があるのです。
資産形成の基本はコツコツと長期積立投資
「年収が高くても貯蓄ゼロの世帯がいるのなら、将来のための貯蓄などムリなのでは」と思う人もいるかも知れません。しかし、40代以下の若い世帯なら、時間を味方につけることで将来への資産形成を行うことができます。
しかし、大手銀行の定期預金金利は0.01%。お金を預けているだけでは、ほとんどお金は増えません。そこで、時間をかけてコツコツと資産を増やす「長期積立投資」が脚光を浴びています。