デジタル庁は2026年10月2日、「Androidのマイナンバーカード」を10月20日から開始予定と公表しました(変更の可能性があります)。スマホに入れて使うのはマイナンバーカードで、通知カードではありません。
自宅の引き出しに、マイナンバーが記載された「通知カード」が眠っていないでしょうか。マイナンバーカードをまだ作っていない人にとって、通知カードは唯一の手がかりに見えますが、通知カードは令和2年5月25日に廃止されています。
この記事では、前半でこの疑問に、総務省とマイナンバーカード総合サイトの公式情報で答えます。後半では、通知カードが廃止された経緯、紛失した場合の確認方法、後継の個人番号通知書との違いを順に確認します。個別の手続きは、お住まいの市区町村に確認してください。
1. 引っ越し前の住所のままの通知カード、バイト先に出せる?マイナンバーカードを作るのに使える?
「バイト先から、マイナンバーを提出するよう言われました。引き出しの奥から通知カードが出てきて、ほっとしたのも束の間、住所が引っ越し前のままでした。このまま出して問題ないでしょうか。マイナンバーカードを作るときにも、この通知カードは使えますか」。この疑問は、編集部が想定したもので、実際の問い合わせではありません。
この疑問は、一人の事情に見えますが、同じ仕組みは、通知カードを持っている人にも当てはまりえます。答えは、次の3点です。
- 通知カードは、氏名・住所等が現在の住民票と一致している場合に限り、マイナンバーを証明する書類として使えます。引っ越しや婚姻等で食い違っている場合は、使えません
- 総務省は、通知カードの転居時等の記載事項の変更の手続が、住民と市区町村職員の双方に負担となっていたことを、見直しの理由に挙げています。通知カードは令和2年5月25日に廃止され、紛失・破損しても再発行はされません
- マイナンバーカードの交付申請に、住所が古い通知カードを使えるかは、確認した資料からは分かりませんでした。市区町村に確認してください
2. マイナンバーの通知カードはどんなときに使える?住所や紛失など4つの場合を総務省の資料で確認
読者の方が気にしそうな「もし」を、総務省とマイナンバーカード総合サイトの資料で確認します。いずれも、ご自身の手続きが通るかを確定するものではありません。
- もし、通知カードの氏名・住所等が、現在の住民票と一致しているなら:引き続き、マイナンバーを証明する書類として使えます
- もし、引っ越しや婚姻等で、住民票と食い違っているなら:証明書類として使えません
- もし、通知カードを紛失したら:再発行はされません
- もし、個人番号通知書が届いたら:マイナンバーを証明する書類・本人確認書類としては使えません
ここからは、この答えの前提になる経緯を順に確認します。通知カードの廃止、今も使える条件、紛失した場合、個人番号通知書との違いの順です。
3. 通知カードは令和2年5月25日に廃止された
総務省によると、マイナンバーの通知方法は、令和2年5月25日より「通知カード」を送付する方法から「個人番号通知書」を送付する方法に変わりました。この変更以降に出生などでマイナンバーが付番された人には、通知カードではなく個人番号通知書が郵送されています。
総務省は、この変更の理由について「通知カードの転居時等における記載事項の変更の手続が住民及び市区町村職員の双方に負担となっており見直しを求める要望があったこと」や、「紙製のカードから公的個人認証の電子証明書が搭載されたマイナンバーカードへの移行を早期に促していく観点」を挙げています。
4. 手元の通知カードは今も使えるのか
「廃止された」と聞くと、手元の通知カードはもう無効になったと思いがちですが、そうとは限りません。総務省によると、既に通知カードを持っている人については、通知カードの再交付や、氏名・住所等に変更が生じた際の記載の変更は行われません。
ただし、通知カードに記載された氏名・住所等が住民票に記載されている事項と一致している場合に限り、引き続きマイナンバーを証明する書類として使えます。
4.1 【手元の通知カードが証明書類として使えるかどうかの基準】
- 氏名・住所等が現在の住民票と一致している場合:引き続き使えます
- 引っ越しや婚姻等で氏名・住所等が住民票と食い違っている場合:証明書類として使えません
つまり、廃止後に引っ越しや結婚で氏名・住所が変わった人は、通知カードの記載が更新されないため、実質的に証明書類として使えなくなります。この場合、マイナンバーを証明するにはマイナンバーカードを取得するか、マイナンバー入りの住民票の写しを取得する必要があります。
5. 通知カードを紛失・破損した場合、再発行はできない
マイナンバーカード総合サイトによると、通知カードは令和2年5月25日をもって廃止されたため、再発行はできません。これは、紛失した場合だけでなく、破損した場合や、氏名・住所の変更で記載内容が古くなった場合も同様です。
紛失した通知カードに代わってマイナンバーを確認するには、マイナンバーカード総合サイトの案内どおり、マイナンバーカードを取得するか、マイナンバーが記載された住民票の写しを取得する方法があります。住民票の写しは、マイナンバーの記載を希望する場合のみ記載されるため、通常の申請書とは別に「マイナンバーの記載が必要」であることを窓口やオンライン申請で指定する必要があります。
6. 後継の「個人番号通知書」も、実は証明書類にならない
令和2年5月25日以降にマイナンバーが付番された人に送られる「個人番号通知書」も、通知カードと同じように「マイナンバーを証明する書類」だと誤解されがちです。しかし総務省は、個人番号通知書について「マイナンバーを証明する書類」や「本人確認書類」としては利用できないと明記しています。
マイナンバーを証明する書類が必要な場合は、総務省によると、マイナンバーカードを提示するか、マイナンバー入りの「住民票の写し」または「住民票記載事項証明書」を提出する必要があります。個人番号通知書は、あくまで「マイナンバーを本人に知らせるための書類」という位置づけであり、証明力を持つ書類ではありません。
6.1 【通知カード・個人番号通知書・マイナンバーカードの違い】
- 通知カードの場合:現在の発行状況は令和2年5月25日に廃止(再発行不可)、証明書類としては住民票の記載事項と一致していれば使える
- 個人番号通知書の場合:現在の発行状況は令和2年5月25日以降に付番された人へ送付、証明書類としては使えない
- マイナンバーカードの場合:現在の発行状況は申請により交付、証明書類としては使える
この3つの書類のうち、確実にマイナンバーの証明書類として使えるのはマイナンバーカードだけです。通知カードは条件付き、個人番号通知書はそもそも証明書類にならないという違いを理解しておくと、確定申告や各種手続きの際に慌てずに済みます。
7. 個人番号通知書が届いたら、まず何をすればよいか
個人番号通知書には、マイナンバーカードをオンラインで申請する場合に使う「交付申請用QRコード」と「申請書ID」が記載されています。総務省によると、封入されている送付物には、個人番号通知書のほかに、郵送で申請する場合に使う「個人番号カード交付申請書」と、その返信用封筒も同封されています。
つまり、個人番号通知書が届いた時点で、マイナンバーカードの申請に必要なものはすでに手元にそろっています。QRコードからオンライン申請する方法と、同封の申請書を返信用封筒で郵送する方法のどちらかを選べるため、個人番号通知書を「証明書類にならないただの通知」として放置せず、マイナンバーカードの申請そのものに活用するのが実務的な使い方です。
※本記事は、編集部が総務省が公表する公式の最新一次資料を直接確認の上、執筆・検証しています。
8. 税の手続きや各種手続きでマイナンバーを求められたとき
確定申告や、行政・金融機関の各種手続きでマイナンバーの提示・記載を求められる場面では、単にマイナンバーの数字を伝えるだけでなく、番号確認書類と身元確認書類の両方の提示を求められるのが一般的です。マイナンバーカードであれば1枚でこの両方を兼ねられますが、通知カード(有効なもの)や個人番号通知書を使う場合は、運転免許証等の別の身元確認書類をあわせて提示する必要があります。
特に、通知カードが証明書類として使えなくなっている(住民票の記載と不一致)ことに気づかないまま窓口に行くと、その場で番号確認書類が無い扱いとなり、手続きが完了しないことがあります。マイナンバーの提示を求められる予定がある場合は、事前に手元の通知カードが今も有効かどうかを、住民票の記載事項と照らし合わせて確認しておくとよいでしょう。
9. 企業や金融機関からマイナンバーの提出を求められたときの注意点
勤務先での年末調整・社会保険の手続きや、証券口座・銀行口座の開設時にも、マイナンバーの提出を求められることがあります。この場合も、番号確認書類として使えるのは、マイナンバーカード、通知カード(住民票の記載事項と一致している場合)、マイナンバー入りの住民票の写し・住民票記載事項証明書のいずれかです。個人番号通知書は、このいずれにも該当しません。
企業の担当者の中にも、個人番号通知書とマイナンバーカードを混同しているケースがあります。提出先から「マイナンバーの分かる書類」とだけ案内された場合、個人番号通知書を提出しようとして受理されない、というトラブルが起こり得ます。提出前に、番号確認書類として何が指定されているかを具体的に確認しておくとよいでしょう。
10. マイナンバーカードを取得しておくメリット
通知カードの経過措置はいつまで続くか総務省の資料では明記されていませんが、氏名・住所が変わるたびに証明書類としての有効性を失っていく通知カードに比べ、マイナンバーカードは電子証明書込みで最新の情報が反映される点が異なります。総務省も、通知カードの案内の中で「マイナンバーカードのお早めの申請をおすすめします」と呼びかけています。
マイナンバーカードを取得すれば、マイナンバーの証明・本人確認の両方を1枚でまかなえるほか、コンビニ交付や確定申告のオンライン提出など、通知カードにはない機能も利用できるようになります。
すでにマイナンバーカードを持っている場合でも、紛失・破損時の対応は通知カードとは異なります。マイナンバーカード自体を紛失した場合の再発行手続きについては、マイナンバーカードの紛失・再発行・暗証番号で個別に確認しておくと安心です。
11. 【編集者の視点】
通知カードは廃止から数年が経ち、存在自体を忘れている人も少なくありません。しかし「廃止された=もう関係ない書類」と捨ててしまう前に、住民票の記載事項と一致しているかを確認する価値はあります。特に、引っ越しや結婚などの予定がなく住所・氏名が変わっていない人にとっては、今でも有効な証明書類だからです。
一方で、マイナンバーの証明を求められる場面は、確定申告や口座開設、児童手当の現況届など多岐にわたります。そのたびに通知カードが今も有効かどうかを確認するのは手間がかかるため、マイナンバーカードを1枚持っておくほうが、長期的には手続きの負担が軽くなります。
12. 【編集者の視点】
個人番号通知書について「証明書類として使えない」という注意書きは、総務省の案内の中でも比較的目立たない位置に書かれています。多くの人は「マイナンバーが書かれた公的な書類」というだけで証明力があると思い込みがちですが、実際には本人確認書類はおろか、マイナンバーの証明書類としてすら使えません。
この点を知らずに窓口へ持参し、その場で追加の証明書類の提示を求められて手続きがやり直しになるケースもあり得ます。個人番号通知書を受け取った際は、「これは通知のための書類であり、証明のための書類ではない」という位置づけを最初に押さえておくことをおすすめします。
13. 住民票の写しでマイナンバーを確認する場合の注意点
通知カードも個人番号通知書も手元にない場合、マイナンバー入りの住民票の写しを取得する方法があります。ただし、住民票の写しは、申請時に「マイナンバーの記載を希望する」ことを明示しないと、マイナンバーが記載されないまま発行されます。窓口の申請書やコンビニ交付サービスの画面で、マイナンバー記載の有無を選べる項目を見落とさないようにする必要があります。
また、マイナンバー入りの住民票の写しは、提出先によっては受け取りを制限している場合があります。マイナンバー法では、法律で定められた事務以外でマイナンバーを収集・保管することが原則禁止されているため、提出先が民間企業の場合は、そもそもマイナンバー入りの住民票を求められることは少なくなっています。
この場合、マイナンバーカードや通知カードでの確認が中心になります。提出先から具体的にどの書類を求められているかを、事前に確認しておくとスムーズです。
14. 子どものマイナンバーの通知カードはどうなっているか
令和2年5月25日より前に生まれた子どもには通知カードが交付されていますが、以降に生まれた子どもには個人番号通知書が郵送されます。子どものマイナンバーを証明する場面(児童手当の現況届や保育園の入園手続きなど)では、通知カードの場合は氏名・住所が住民票と一致しているかを、個人番号通知書しか手元にない場合はマイナンバーカードか住民票の写しが必要になることを、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
特に、子どもが生まれてすぐに交付された通知カード(令和2年5月24日以前生まれ)を保管している家庭では、進学や転居のタイミングで氏名・住所が住民票と食い違っていないかを再確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
15. まとめ
通知カードは令和2年5月25日に廃止され、以降は「個人番号通知書」に切り替わりましたが、手元の通知カードは住民票の記載事項と一致していれば今も証明書類として使えます。ただし紛失・破損した場合の再発行はできず、後継の個人番号通知書もマイナンバーの証明書類としては使えません。
マイナンバーの証明が必要な場面が控えている人は、通知カードの記載内容が今の住民票と一致しているかを確認し、一致していない、あるいはそもそも通知カードが手元にない場合は、マイナンバーカードの取得かマイナンバー入り住民票の写しの取得を早めに検討しておくと安心です。
通知カード・個人番号通知書・マイナンバーカードは、名前が似ているために混同されがちですが、証明書類としての効力はそれぞれ異なります。手元にどの書類があるかを確認し、必要な手続きに間に合うよう、余裕を持って準備しておくことをおすすめします。
特に、確定申告や年末調整、児童手当の現況届など、期限が決まっている手続きでは、当日になって証明書類が足りないと気づくと対応が間に合わないこともあります。マイナンバーの提示・提出が必要になりそうな予定がある人は、早めに手元の書類を点検しておくとよいでしょう。
16. よくある質問
16.1 Q. 通知カードを今から再発行してもらうことはできますか?
できません。通知カードは令和2年5月25日をもって廃止されており、紛失・破損を含め再発行は行われません。
16.2 Q. 通知カードを紛失した場合、マイナンバーはどうやって確認すればよいですか?
マイナンバーカードを取得するか、マイナンバーが記載された住民票の写し(または住民票記載事項証明書)を取得する方法があります。
16.3 Q. 個人番号通知書があれば、マイナンバーカードを申請しなくても手続きに使えますか?
個人番号通知書は、マイナンバーを証明する書類・本人確認書類としては利用できません。マイナンバーの証明が必要な手続きには、マイナンバーカードまたはマイナンバー入りの住民票の写し等が必要です。
16.4 Q. 引っ越し前の住所が書かれた通知カードは、もう使えませんか?
通知カードの記載事項は変更されないため、引っ越し後の住民票の記載と一致しなくなった時点で、証明書類としては使えなくなります。
16.5 Q. 会社にマイナンバーを提出するとき、個人番号通知書のコピーを提出してもよいですか?
個人番号通知書は番号確認書類として認められないため、原則として受理されません。マイナンバーカード、住民票の記載事項と一致している通知カード、またはマイナンバー入りの住民票の写しのいずれかを提出してください。
16.6 Q. 通知カードと個人番号通知書、見た目で見分ける方法はありますか?
通知カードは紙製のカード型の書類です。個人番号通知書は、封筒の表面に「個人番号通知書 個人番号カード交付申請書 在中」と記載された簡易書留で届く点が異なります。届いた郵便物の名称・記載内容を確認すれば区別できます。
16.7 Q. 通知カードや個人番号通知書を紛失した場合、警察に届け出る必要はありますか?
通知カードや個人番号通知書自体は再発行されないため、紛失時にまず必要なのはマイナンバーカードの取得や住民票の写しの取得です。ただし、悪用のおそれがあると感じる場合は、念のため最寄りの警察署や市区町村の窓口に相談しておくと安心です。
16.8 Q. 通知カードに記載されたマイナンバー自体は、廃止後も変わりませんか?
総務省によると、マイナンバーは漏えいして不正に使われるおそれがある場合を除き、一生涯変更されません。通知カードや個人番号通知書という「通知の方法」が変わっただけで、記載されているマイナンバーの番号自体が無効になるわけではありません。
16.9 Q. 住民票の写しにマイナンバーを記載してもらうには、どうすればよいですか?
住民票の写しの交付を申請する際に、「マイナンバー(個人番号)の記載を希望する」ことを明示する必要があります。窓口の申請書やコンビニ交付サービスの画面には、記載の有無を選ぶ項目が用意されているため、そこで希望する側にチェックを入れてください。
16.10 Q. 転職・退職のタイミングで、通知カードや個人番号通知書は職場に提出する必要がありますか?
年末調整や社会保険の手続きで、勤務先からマイナンバーの提出を求められることがあります。提出する書類として指定されているのが、マイナンバーカード・住民票の記載事項と一致する通知カード・マイナンバー入り住民票の写しのいずれかであり、個人番号通知書は該当しません。勤務先の案内をよく確認したうえで、対応可能な書類を用意してください。
16.11 Q. 通知カードの廃止後に生まれた子どもにも、何らかのカード型の書類は届きますか?
令和2年5月25日以降に生まれた子どもには、通知カードではなく個人番号通知書が郵送されます。カード型の書類が欲しい場合は、個人番号通知書に同封されている交付申請書またはQRコードから、マイナンバーカードを申請する必要があります。
参考資料
齊藤 慧
