4. 収入合算で借入期間が24年になると、毎月の返済額はいくら増えるか

収入合算で借入期間が短くなると、同じ額を借りても毎月の返済額は増えます。【フラット35】の2026年10月の借入金利で、35年と24年の毎月の返済額を比べてみます。

4.1 【フラット35】の2026年10月の最頻金利は年3.83%

住宅金融支援機構によると、2026年10月の【フラット35】の借入金利は、借入期間21年以上・融資率9割以下・新機構団信付きで年3.83%〜年5.84%です。取扱金融機関が提供する最も多い金利(最頻金利)は年3.83%でした。

借入金利は申込時ではなく資金受取時の金利で、毎月見直されます。

4.2 3000万円を年3.83%で借りると、24年なら毎月15万9429円

3000万円を年3.83%・元利均等返済で借りた場合の毎月の返済額(ボーナス返済なし)は、LIMO編集部の計算で次のとおりです。

  • 借入期間35年:毎月12万9790円
  • 借入期間24年:毎月15万9429円

借入期間が24年になると、毎月の返済額は2万9639円増えます。実際の返済額は、取扱金融機関の金利と端数の処理で変わります。

【フラット35】には、年収に占める年間の返済額の割合(総返済負担率)の基準もあります。収入を合算すると借りられる額は増えますが、返済期間が短くなる分、毎月の負担は重くなります。

5. 夫婦で【フラット35】を組むなら、団体信用生命保険は「デュエット」かペアローンかで保障が変わる

夫婦で【フラット35】を利用する場合、団体信用生命保険(団信)の入り方によって、どちらかに万一のことがあったときに残る返済が変わります。住宅金融支援機構の案内で確認します。

5.1 デュエット(ペア連生団信)は、どちらかに万一のことがあれば以後の返済が不要に

デュエット(ペア連生団信)は、連帯債務となる夫婦の2人で加入する団信です。どちらかが亡くなった場合などは、住宅の持分や返済割合に関係なく、保険金が債務に充当され、以後の【フラット35】の返済が不要になります。

戸籍上の夫婦のほか、婚約関係、内縁関係、同性パートナーの関係にある人も利用できます。2人とも満15歳以上満70歳未満で、幹事生命保険会社の加入承諾を受けることが要件です。新3大疾病付機構団信では、デュエットを利用できません。

5.2 デュエットは借入金利が年0.18%上乗せになる

【フラット35】の借入金利は、新機構団信付きの金利が基本です。デュエットの場合は年0.18%、新3大疾病付機構団信の場合は年0.24%が上乗せされます。

最頻金利の年3.83%にデュエットの0.18%を上乗せすると年4.01%です。3000万円を35年で借りる場合、LIMO編集部の計算で毎月の返済額は13万3012円となり、新機構団信付きの12万9790円より3222円増えます。

5.3 【フラット35】のペアローンは融資が2つで、団信もそれぞれに加入する

【フラット35】のペアローンは、同じ住宅について2つの融資をそれぞれ組む方法です。借入額や借入期間、返済方法を別々に設定でき、一方の申込人は、もう一方から見て収入合算ができる要件を満たす必要があります。

団信は2つの融資それぞれに加入を申し込みます。加入者に万一のことがあると、その融資の残りは保険金で充当されますが、もう一方の融資は引き続き返済が必要です。ペアローンの案内では、ペア連生団信は夫婦等を連帯債務とする申込みがある場合に限り加入できるとされています。

6. 収入合算やペアローンを選ぶ前に、夫婦で書面にしておきたい3つのこと

収入合算もペアローンも、借りたあとに組み方を変えるのは簡単ではありません。銀行の窓口でご相談を受けていた立場から、契約の前に夫婦で書面にしておきたいことを3つ挙げます。

6.1 完済する年と、そのときの2人の年齢

収入合算者の年齢で借入期間が決まる場合は、完済の時期も早まります。返済予定表の案が出たら、最終の返済日と、そのときの2人の年齢を書き出しておきます。

6.2 団信に入る人と、入らない人の返済がどうなるか

連帯債務でも、団信に加入するのが1人だけなら、加入していない人に万一のことがあったときは返済が残ります。誰がどの団信に加入するのかを、契約書類で確かめておきます。

6.3 どちらかの収入が減る時期の返済のしかた

2人の収入を前提に借りる場合、育児休業や転職、親の退職などで収入が減る時期が出てきます。その間の毎月の返済を、どちらの収入からいくら出すのかを先に話し合っておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

7. まとめ

関東の二人以上世帯の住宅ローン残高は平均1398万円、中央値1000万円で、借入金額を回答した世帯の29.4%が2000万円以上でした。【フラット35】の収入合算は1人までで、合算額が収入合算者の年収の50%を超えると、その人の年齢で借入期間が決まります。

夫婦で組む場合は、デュエットかペアローンかで、万一のときに残る返済も変わります。借入額だけで決めず、完済の年齢と団信の入り方を、申込みの前に取扱金融機関で確かめておきましょう。

参考資料

中本 智恵