4. 退職後も傷病手当金を受け取るには、退職日までに1年以上の加入が必要
療養が長引くと、休んでいる途中で会社を辞めることを考える人もいるでしょう。協会けんぽの案内によると、退職したあとも傷病手当金を受け取り続けるには、次の2つを満たす必要があります。
- 退職日(資格を失う日の前日)までに、被保険者期間が続けて1年以上あること(任意継続被保険者や国民健康保険に入っていた期間などは除く)
- 退職日に、傷病手当金を受けているか、受けられる状態であること
たとえば退職日の時点で受給の条件を満たしていなければ、退職したあとに受け取り始めることはできません。また、いったん仕事に就ける状態になると、その後にまた仕事に就けなくなっても、傷病手当金は支給されないとされています。
退職日をいつにするかは、受け取れるかどうかに関わります。辞める前に、加入している健康保険の窓口で、条件に当てはまるかを聞いておきましょう。
5. 傷病手当金の請求は2年で時効、療養中も期限に注意
傷病手当金は、いつまでも請求できるわけではありません。療養に専念していると手続きが後回しになりがちなので、期限は早めに押さえておきたいところです。
健康保険法第193条では、保険給付を受ける権利は、行使することができる時から2年を経過すると時効によって消えると定められています。傷病手当金もこの保険給付にあたるため、請求しないまま2年が過ぎると受け取れなくなるおそれがあります。
傷病手当金は、待期3日間・支給期間1年6か月・退職後は加入1年以上・請求の時効2年の4つの数字を押さえておきたい3/3
出所:全国健康保険協会「傷病手当金」、e-Gov法令検索「健康保険法」をもとにLIMO編集部作成
休んだ期間が長くなるほど、古い期間の分から期限が近づいていきます。たとえば休職が1年を超えるような場合では、最初のころの分が期限を過ぎないよう、申請の時期を加入している健康保険の窓口で確かめておきましょう。
6. 傷病手当金は、条件と期限を確かめてから申請する
協会けんぽの調査では、傷病手当金を受けた原因の41.27%が精神及び行動の障害で、45歳未満では5割を超えていました。仕事を休むほどの不調は、年齢を問わず誰にでも起こりうるものです。
受け取れる金額は、支給開始日以前の12か月間の標準報酬月額の平均をもとに、1日あたりその30分の1の3分の2で決まり、支給は通算1年6か月までです。退職後も受け取るには退職日までに1年以上の加入が必要で、請求は2年で時効になります。
自分が条件に当てはまるかや、申請書の書き方は、加入している協会けんぽの支部や健康保険組合で相談できます。勤務先の人事・総務の担当者にも、休職の手続きとあわせて確認しておきましょう。
参考資料
中本 智恵