協会けんぽ(全国健康保険協会)「令和7年度 現金給付受給者状況調査報告」によると、傷病手当金を受けた原因の傷病は「精神及び行動の障害」が41.27%で最も多くなりました。前の年度の39.15%からさらに上がり、受給の4割を超えています。
30年前の平成7年には4.45%だったので、割合はおよそ9倍になったことがわかりますね。会社員が病気やけがで長く休むとき、傷病手当金がどれだけ身近な制度になっているかが見えてきます。
この記事では、傷病手当金を受け取れる条件と金額の決まり方、どんな傷病で受け取られているのかを、協会けんぽの調査と案内をもとに整理します。
1. 傷病手当金とは?会社を休んで給与が出ないときに受け取れるお金
傷病手当金は、会社員などが加入する健康保険から支給されるお金です。協会けんぽの案内によると、次の4つをすべて満たすと受け取れます。
- 仕事とは関係のない病気やけがの療養のために休んでいること
- 仕事に就けないこと
- 連続する3日間を含み、4日以上仕事に就けなかったこと
- 休んだ期間について給与の支払いがないこと
休み始めの連続する3日間は「待期」と呼ばれ、4日目以降の休んだ日が支給の対象になります。待期には有給休暇や公休日も含まれます。
なお、休んだ期間に給与が支払われていても、その額が傷病手当金より少なければ、差額が支給されます。
1日あたりの金額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30で割り、その3分の2にあたる額です。加入期間が12か月に満たない場合は、その期間の標準報酬月額の平均と32万円(支給開始日が令和7年4月1日以降の場合)のうち、低いほうの額で計算します。
支給期間は、支給を始めた日から通算して1年6か月とされています。
2. 傷病手当金を受けた原因は「精神及び行動の障害」が41.27%で最多
協会けんぽの調査は、令和7年10月に傷病手当金を受けた人全員(19万3435件)が対象です。受給の原因となった傷病の割合を上から並べると、次のようになります。
傷病手当金を受けた原因は「精神及び行動の障害」が41.27%で、2位の新生物(14.18%)の約3倍です1/3
出所:全国健康保険協会「現金給付受給者状況調査報告(令和7年度)」をもとにLIMO編集部作成
男女別に見ると、精神及び行動の障害の割合は男性で37.41%、女性で45.03%でした。男性と女性のどちらでも、最も多い原因になっています。
年齢別では、精神及び行動の障害は60歳未満のどの年齢層でも最も割合が高く、45歳未満では50%を超えています。一方、新生物(がんなど)は年齢が上がるにつれて割合が増え、70歳以上では32.45%となっています。
3. 精神及び行動の障害の割合は、30年でおよそ9倍に
同じ調査の年度別の表によると、精神及び行動の障害の割合は、平成7年の4.45%から長く上がり続けてきました。
令和4年だけは18.11%に下がっていますが、これは新型コロナウイルス感染症を含む区分が48.62%を占めた年だったためです。この年を除くと、割合は増え続けています。
なお、令和7年10月分の1件あたりの支給日数は平均32.43日、支給金額は平均19万3493円でした。