5. 家畜保健衛生所の獣医師、41都道府県が初任給調整手当を支給

農林水産省は、都道府県の家畜保健衛生所に勤める獣医師の給与の状況を、令和5年度の家畜衛生関係状況調査の結果としてまとめています。

家畜保健衛生所に勤める獣医師の給与の状況(令和5年度)2/2

農林水産省の令和5年度家畜衛生関係状況調査結果をもとに、家畜保健衛生所に勤める獣医師の給与の状況をまとめた表。医療職給料表(二)が40都道府県で初任給月額20万5500円〜22万6000円、行政職給料表(一)が5都道府県で20万3700円〜21万100円、特定獣医師職給料表が2県で22万800円〜22万3500円。初任給調整手当は41都道府県が適用し、初年度の支給額は3万円〜6万円、支給年数は10年〜20年

出所:農林水産省「都道府県の家畜衛生公務員等獣医師確保対策 アンケート結果概要」(参考資料6)を参考にLIMO編集部作成

5.1 40都道府県が医療職給料表(二)を適用、初任給月額は20万5500円〜22万6000円

家畜保健衛生所に勤める獣医師に適用している給料表は、医療職給料表(二)が40都道府県、行政職給料表(一)が5都道府県、獣医師専用の特定獣医師職給料表が2県(徳島県・福岡県)でした。

令和5年度の初任給月額は、医療職給料表(二)で20万5500円〜22万6000円、特定獣医師職給料表で22万800円〜22万3500円、行政職給料表(一)で20万3700円〜21万100円です。

5.2 初任給調整手当は初年度3万円〜6万円、支給年数は10年〜20年

専門知識が必要で補充が難しい職に採用された職員に一定期間支給される初任給調整手当は、41都道府県が適用しています。初年度の支給額は3万円〜6万円で、最も高いのは鳥取県・島根県・鹿児島県でした。宮崎県は令和6年4月から7万円にしています。

支給年数は10年〜20年です。このほか、職務の内容や特殊な勤務条件に応じて給与に加算する「給与の調整額」は25都道府県が導入しており、家畜保健衛生所業務手当や防疫業務手当などの業務手当も、都道府県によって額や対象が異なります。

6. 獣医師の年収を年齢階級別に見ると、35〜39歳で751万7300円

賃金構造基本統計調査では、獣医師の給与を年齢階級別にも公表しています。20代後半から30代の年収の目安(きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額)は次のとおりです。

  • 25〜29歳(約1200人):月収36万7200円・賞与49万7600円・年収の目安490万4000円
  • 30〜34歳(約900人):月収43万6300円・賞与68万7000円・年収の目安592万2600円
  • 35〜39歳(約590人):月収55万6200円・賞与84万2900円・年収の目安751万7300円

6.1 25〜29歳と35〜39歳の年収の目安の差は261万3300円

25〜29歳の獣医師の年収の目安は490万4000円で、30〜34歳では592万2600円、35〜39歳では751万7300円です。25〜29歳と35〜39歳の差は261万3300円で、このうち月収の差18万9000円の12か月分が226万8000円を占めます。

6.2 初任給月額と統計の月収は中身が違う

家畜保健衛生所の初任給月額は給料表の額で、手当は含まれていません。賃金構造基本統計調査の月収には、通勤手当などの手当や超過労働給与も含まれています。25〜29歳の獣医師の平均の勤続年数は2.5年で、採用直後の給与とも時点が違うため、2つの数字は同じ形では比べられません。

7. まとめ

賃金構造基本統計調査の獣医師の年収の目安は680万5100円、都道府県の薬剤師・医療技術職は668万4345円で、差は12万755円でした。月収は獣医師が8万2325円高く、ボーナスは都道府県が86万7145円多いという、逆向きの差が重なった結果です。

家畜保健衛生所に勤める獣医師には、令和5年度時点で41都道府県が初任給調整手当を適用しており、初年度の支給額は3万円〜6万円、支給年数は10年〜20年でした。手当の額や期間は都道府県によって違います。

勤め先を比べるときは、月給とボーナスを1年分に足し上げたうえで、初任給調整手当などの手当がいくら、何年間支給されるのかを募集要項や条例で確かめておくと、年収の目安を同じ形で並べられます。

参考資料