4. 相続Web案内サービスとゆうちょ手続きアプリで、ゆうちょ銀行の窓口に行く回数を減らす

相続確認表は窓口でも受け取れますが、ゆうちょ銀行はWebとアプリでも相続の手続きを受け付けています。窓口に行く回数を減らしたいときは、先にこちらを確かめておきます。

4.1 相続Web案内サービスは質問に答えて15〜45分、相続確認表と必要書類のご案内を作れる

相続Web案内サービスは、画面の質問に答えると、相続の状況に合った必要書類を案内するサービスです。入力するのは、遺言書の有無などの相続の状況、亡くなった人の貯金の情報、相続人の情報で、回答までは15〜45分程度かかります。

入力した内容から「相続確認表」と「必要書類のご案内」が作られ、PDFで印刷できます。ゆうちょ銀行によると、相続確認表をこのサービスで出力すると、窓口への来店回数は原則2回から1回に減ります。

4.2 ゆうちょ手続きアプリなら相続確認表の入力から提出までアプリで完結する

ゆうちょ手続きアプリでは、相続人の情報など相続確認表の内容の入力から提出までを、アプリの中で済ませられます。アプリで手続きをしたあとは、専門部署から必要書類が案内されます。

どちらのサービスも、亡くなった人の口座の状況などによっては使えない場合があります。

4.3 相続Web案内サービスを使えない6つのケースは窓口へ

ゆうちょ銀行は、相続Web案内サービスの対象外として次の6つを挙げています。当てはまる場合は、貯金窓口に直接行きます。

  • 亡くなった人の貯金の有無や記号番号が分からない
  • 投資信託や投資一任サービスを利用している
  • 非課税貯金を利用している
  • 住宅ローンを利用している
  • 電子マネー(Suica・Edy)を利用している
  • 亡くなった人より後に亡くなった相続人がいる

5. 相続確認表を出す前に、亡くなった人のゆうちょ銀行の貯金がどこに何口あるかを確かめる

相続の手続きを進めていく中で、あとから別の口座が見つかることは珍しくありません。ゆうちょ銀行の貯金も、手続きを始める前に口座の全体をつかんでおくと二度手間を避けられます。

5.1 相続確認表の提出前でも、ゆうちょ銀行の貯金の調査はできる

ゆうちょ銀行では、相続確認表を出す前でも貯金の調査ができます。相続による調査で見つかった口座も、申し出た口座と同じように停止設定されます。

ゆうちょ銀行は、相続の流れの目安として、公共料金の名義変更を「速やかに」行う手続きに挙げています。亡くなった人の口座から引き落としていた支払いがあれば、口座の調査とあわせて支払い方法の変更も進めておくと慌てずに済みます。

5.2 記号番号が分からない貯金は、窓口の「現存調査」で有無を調べられる

通帳が見当たらず、記号番号が分からない貯金があるときは、相続Web案内サービスは使えません。貯金窓口の「現存調査」で、貯金があるかどうかを調べられます。

6. 払戻金を受け取る相続人と受け取り方法を、相続人どうしで先に決めておく

相続確認表には払戻金の受取方法を書く欄があります。窓口に行く前に、誰が受け取り、どの方法で受け取るかを家族で話しておくと、記入の段階で手が止まりません。

6.1 払戻金を受け取る相続人の実印と印鑑登録証明書が必要になる

遺言書がない場合の書類の例には、払戻金を受け取る相続人の実印と、相続人の印鑑登録証明書が入っています。遠方に住む相続人がいる家族では、印鑑登録証明書を誰がいつ取り寄せるかを先に決めておくと、書類が早くそろいます。

払戻金をいったん1人の相続人が受け取る形にした場合、その後どう分けるかは相続人どうしの話し合いで決めることです。遺産分割協議書を作るなら、ゆうちょ銀行の貯金をどう分けるかも書いておくと、あとで確認しやすくなります。

6.2 戸籍謄本の原本を返してほしいときは、書類を出すときに申し出る

必要書類は原本を貯金窓口に出します。戸籍謄本などの返却を希望する場合は、申し出が必要です。ほかの銀行や証券会社の相続手続きにも同じ戸籍謄本を使うつもりなら、提出のときに忘れずに伝えます。

6.3 急いで受け取りたいなら、ゆうちょ銀行の通常貯金口座で受け取る

他の金融機関への振込は約3〜4週間かかり、振込料金も差し引かれます。葬儀の費用の精算などで早く受け取りたい場合は、受け取る相続人のゆうちょ銀行の通常貯金口座に入れる方法を選ぶと、約1〜2週間で済みます。

7. まとめ

ゆうちょ銀行の相続手続きは、相続の申し出、相続確認表の準備と提出、必要書類の準備と提出、相続払戻金の受け取りという6つのステップで進みます。必要書類は遺言書の有無などで変わり、相続確認表を出したあとに届く「必要書類のご案内」で確定します。

払戻金は、通常貯金口座への入金か貯金払戻証書なら約1〜2週間、他の金融機関口座への振込なら約3〜4週間で、振込には料金がかかります。相続Web案内サービスやゆうちょ手続きアプリを使えるかどうかも、手続きを始める前に確かめておきましょう。

参考資料

和田 直子