家族が亡くなったあとにゆうちょ銀行の通帳が見つかり、どこへ何を出せばよいのかで手が止まることがあります。
ゆうちょ銀行は、相続の手続きを「相続のお申し出」から「相続払戻金の受け取り」までの6つのステップで案内しています。すべての必要書類を出したあと、通常貯金への入金なら1〜2週間、他の金融機関口座への振込なら3〜4週間で払戻しの手続きを行うとしています。
この記事では、ゆうちょ銀行の公式の案内をもとに、相続の申し出から払戻金を受け取るまでの流れと、そろえる書類、受け取り方法ごとの期間を確認します。
1. ゆうちょ銀行の相続手続きは、相続の申し出から払戻金の受け取りまで6つのステップ
ゆうちょ銀行の相続手続きは、相続人が窓口に何度も書類を出す形ではなく、「相続確認表」を出してから必要な書類の案内を受ける順番になっています。
1.1 相続の申し出は貯金窓口か相続コールセンターへ、申し出た口座は停止設定される
最初のステップは、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口か、相続コールセンターへの相続のお申し出です。電話でも申し出ができ、申し出た口座は停止設定されます。
相続コールセンターの番号は0120-312-279(通話料無料)で、受付時間は9時から17時までです(土・日・祝日と12月31日〜1月3日を除く)。ゆうちょ銀行は、相続の流れのうち「3か月以内」に行う遺産の洗い出しの時期に申し出るよう案内しています。
1.2 相続確認表には遺言書の有無・相続人・口座・払戻金の受取方法を書く
次に「相続確認表」を準備します。遺言書などの有無、亡くなった人と相続人の情報、口座の情報、払戻金の受取方法などを書く書類で、裏面は「貯金等照会書(相続用)」になっています。
書き終えた相続確認表は、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口に出します。相続確認表をもとに、後日「必要書類のご案内」が送られてくるので、その案内に沿って書類を準備し、原本を貯金窓口に出します。
2. ゆうちょ銀行の相続でそろえる必要書類は、遺言書があるかどうかで変わる
必要書類は相続の形によって異なり、最終的には「必要書類のご案内」で確定します。ゆうちょ銀行が例として挙げている書類は、遺言書の有無で次のように分かれています。
2.1 遺言書がない場合は、連続した戸籍謄本と相続人の印鑑登録証明書など
- 亡くなった人の婚姻から死亡までの連続した戸籍謄本(初婚・未婚の場合は16歳から)
- 亡くなった人の通帳など
- 相続人の印鑑登録証明書
- 遺産分割協議書(ある場合)
- 払戻金を受け取る相続人の実印
2.2 遺言書がある場合は、検認済みの遺言書と遺言執行者の印鑑登録証明書など
遺言書がある場合は、戸籍謄本と通帳などに加えて、遺言書(自筆証書遺言と秘密証書遺言は検認済みのもの)、相続人や遺言執行者の印鑑登録証明書と実印が例に挙がっています。家庭裁判所が遺言執行者を選任した場合は、遺言執行者選任審判書も必要です。
電磁的記録で作成された公正証書遺言は、公証役場で受け取った書面で提出します。電子データやそれを印刷したものは受け付けていません。
2.3 戸籍謄本は2024年3月1日から最寄りの市区町村でまとめて請求できる
戸籍法の改正で、2024年3月1日から、本籍地が別の市区町村でも、最寄りの市区町村の戸籍担当窓口で戸籍証明書等をまとめて請求できるようになりました(広域交付)。
広域交付で請求できるのは、本人・配偶者・父母や祖父母など・子や孫などの戸籍で、兄弟姉妹の戸籍は含まれません。窓口に行く必要があり、顔写真付きの身分証明書を見せます。郵送や代理人による請求はできません。
3. ゆうちょ銀行の相続払戻金は、受け取り方法によって約1〜2週間と約3〜4週間に分かれる
相続払戻金を受け取るまでの期間は、どの方法で受け取るかで変わります。書類の不備や混雑で、さらに時間がかかることもあります。
3.1 通常貯金口座への入金か貯金払戻証書なら約1〜2週間
払戻金を通常貯金口座に入れる場合と、貯金払戻証書で受け取る場合は、約1〜2週間です。払戻金を受け取る相続人がゆうちょ銀行に通常貯金口座を持っていなければ、窓口で開くことができます。
3.2 他の金融機関口座への振込は約3〜4週間、振込料金は5万円以上で880円
他の金融機関の口座に振り込む場合は、約3〜4週間かかります。振込料金は、5万円以上が880円、5万円未満が660円です。払戻金が振込料金以下の場合は、振込ではなく振替払出証書が送られ、窓口で受け取ります。
ゆうちょ銀行の相続手続きは、相続確認表を出して必要書類の案内を受け、書類をそろえて出すという順番で進み、払戻金を受け取るまでの期間は受け取り方法で約1〜2週間と約3〜4週間に分かれます。
亡くなった人の通帳が手元にあれば、記号番号を控えたうえで、相続コールセンター(0120-312-279)に相続の申し出をするところから始められます。
ここからは、銀行で資産運用や承継のご相談を受けてきた立場から、窓口に行く回数を減らすサービスと、手続きの前に家族で決めておきたいことを考えます。