年収が低いのに相手の男性には高い年収を求める身の程知らずな女性は、割と自分のことを「普通」と思っています。ちょっと意識をして情報収集していれば、今の日本の経済状況などは分かるものですが、そうした経済やキャリア形成の情報収集はしません。

このような方の友人もまた、「キャリア形成なんて視野に入れていない」女性が多く、正社員で共稼ぎをしているご夫婦が周りにいないのです。部下がいるマネジメントを行うキャリアウーマンや、看護師や薬剤師といった国家資格を持ち働いている女性も身近にいません。

自分が年収200万円台でも所得が低いとは感じないのです。

今まで真面目に生きてきて、親や学校の先生に言われたことをこなして、親が「いい学校だよ」といった中高一貫の私立女子校に進学し、親が喜ぶ仕事を選びます。

そして母親のように、結婚したら仕事を辞める前提で、相手もいないのに専業主婦になるつもりで「キャリア形成なんて自分には関係がない」と思って生きているのです。

無自覚な親のペット。親子「共依存」で結婚できなくなる

親世代が結婚したら専業主婦になるのが当たり前だったとしても、今の時代は共稼ぎのほうが当たり前。結婚観はアップデートしていかなければならないのですが、こうした女性は親とべったりと関係が近く、親世代の結婚観のままなのです。

今までの人生も親を喜ばせるために生きてきて、反抗期もなく「いい子」を辞められないのです。

実家暮らしという女性が多く、「一人暮らしなんてしなくても、結婚するときに出ていけばいいんじゃない」と親が言うらしいのです。

かつてアラフィフで結婚されたキャリアウーマンがおりました。高齢のお母さまと同居していたそうです。婚活をして彼氏からプロポーズされ、結婚に向かって進んでいたときの一番の障害はお母さんだったそうです。「寂しいから」など何かと理由をつけて結婚をつぶそうとしてきたとか。

「菊乃さん。絶対に早いうちに親離れをした方がいいと思います!こんなに母にてこずるとは思わなかった」
と言われました。

彼女は無事入籍しましたが、こういう場でも親を優先するような方は多いのではないでしょうか。親を喜ばせるために生きて、親の介護要員になって結婚を逃すいい子たち、まず必要なのは婚活以前に反抗期でしょう。

【参考】
平成30年分民間給与実態統計調査結果について」国税庁

田中 菊乃