4. 国民健康保険の資格を外れると、特定健診の案内は届かなくなる

筆者が元公務員として国民健康保険を担当していた頃、生活保護が始まった世帯の資格を外す手続きも窓口で見てきました。資格を外れたあとの健診の扱いをひもといていきます。

4.1 国民健康保険の特定健診は加入者だけが対象

特定健診は、国民健康保険などの保険者が自分の加入者に向けて行う健診です。生活保護が始まって国民健康保険の資格を外れると、国民健康保険から特定健診の案内は届かなくなります。

手元に以前の受診券が残っていても、資格を外れたあとは国民健康保険の特定健診としては使えません。受診の前に、健康診査をどこで受けるのかを確かめておきます。

4.2 保護が停止された世帯は、国民健康保険の加入者に戻る

国民健康保険法で被保険者にならないとされているのは、生活保護を受けている世帯のうち、保護を停止されている世帯を除いた人です。収入が一時的に増えるなどして保護が停止されると、会社の健康保険などに入っていない人は国民健康保険の加入者になります。

停止と廃止では医療保険の扱いが違うため、保護の状態が変わったときは、福祉事務所と市区町村の国民健康保険の窓口の両方で手続きを確かめます。

5. 年齢と生活保護の有無で、受ける健康診査の窓口が変わる

健康診査の窓口は、年齢と、どの医療保険に入っているかで分かれます。生活保護を受けている場合と受けていない場合を、年齢ごとに並べてみました。

5.1 生活保護を受けていない人の健康診査

  • 40歳から74歳で国民健康保険に加入:国民健康保険の特定健診
  • 40歳から74歳で勤務先の健康保険に加入:加入している健康保険の特定健診
  • 75歳以上:後期高齢者医療の健康診査

5.2 生活保護を受けている人の健康診査

  • 国民健康保険や後期高齢者医療から外れた40歳以上:市区町村の健康診査
  • 40歳から74歳で勤務先の健康保険に加入したまま:加入している健康保険の特定健診

国民健康保険や後期高齢者医療から外れた40歳以上の人は、市区町村が健康増進法にもとづいて行う健康診査の対象です。大阪市のように年度末時点で40歳以上であれば対象とする自治体では、75歳以上の人も同じ健康診査を受けることになります。

市区町村によっては申し込みが必要で、申し込んでから受診券が届くまでに時間がかかります。受けたい時期が決まっているなら、早めに担当のケースワーカーや市区町村の健康づくりの担当窓口に相談しておくと進めやすくなります。

6. まとめ

令和8年7月分の被保護者調査では、生活保護を受けている世帯の55.2%が高齢者世帯で、単身の高齢者世帯は51.6%でした。生活保護を受けている間は国民健康保険と後期高齢者医療の被保険者から外れるため、国民健康保険の特定健診の対象ではなくなります。

医療保険に加入していない40歳以上の人は、市区町村が健康増進法にもとづいて行う健康診査の対象で、福祉事務所も被保護者健康管理支援事業で受診勧奨などを行っています。健診の受け方は、担当のケースワーカーに聞いてみましょう。

参考資料

太田 彩子