4. 2002年と2025年の家計調査を比べると、年間収入はほぼ同じで貯蓄は371万円増えた

同じ家計調査(貯蓄・負債編)で比べられる2002年以降に絞って、二人以上の世帯の貯蓄と年間収入を並べます。

二人以上の世帯の貯蓄現在高・年間収入・貯蓄年収比、2002年と2025年の比較2/2

二人以上の世帯の2002年と2025年の比較。貯蓄現在高は1688万円から2059万円、年間収入は683万円から681万円、貯蓄年収比は247.1%から302.3%

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果(二人以上の世帯)」参考1-2をもとにLIMO編集部作成

4.1 2002年は貯蓄1688万円・年間収入683万円、2025年は貯蓄2059万円・年間収入681万円

2002年の二人以上の世帯の貯蓄現在高は1688万円、年間収入は683万円でした。2025年は貯蓄が2059万円、年間収入が681万円です。23年の間に貯蓄は371万円増え、年間収入は2万円少ない水準にとどまりました(差はLIMO編集部の計算)。

貯蓄年収比は247.1%から302.3%へ、55.2ポイント上がっています。年間収入がほぼ同じでも、貯蓄の残高は積み上がってきたことになります。

4.2 年間収入は2012年の606万円が最も低く、その後681万円まで戻った

2002年以降の年間収入は、2012年の606万円が最も低い年でした。このときの貯蓄は1658万円です。そこから年間収入は2025年の681万円まで戻り、貯蓄は2059万円まで増えました。

貯蓄は2008年と2009年、2017年と2018年などに前年より減った年もありますが、2019年以降は7年続けて増えています。

5. 2020年からの5年で増えた貯蓄の中身、有価証券は240万円から440万円に

2020年の二人以上の世帯の貯蓄は1791万円で、2025年は268万円多い2059万円でした。どの種類の貯蓄が増えたのかを、貯蓄・負債編の種類別の内訳で確認します。

【二人以上の世帯の貯蓄の種類別内訳(2020年→2025年)】

  • 通貨性預貯金:556万円→710万円
  • 定期性預貯金:607万円→511万円
  • 生命保険など:357万円→369万円
  • 有価証券:240万円→440万円
  • 金融機関外:31万円→29万円

5.1 有価証券は3年連続の増加で、貯蓄に占める割合は13.4%から21.4%に

5年で最も増えたのは有価証券で、240万円から440万円へ200万円増えました。貯蓄に占める割合は2020年の13.4%から2025年の21.4%に上がっています。2025年の有価証券の内訳は、株式が218万円、投資信託が179万円、債券が38万円でした。

有価証券の金額は、株価などの値動きの影響も受けます。資料が挙げる2025年の主な動きには、日経平均株価の終値が10月に初めて5万円を超えたことや、NISAの口座数が12月末時点(速報値)で約2830万に増えたことが入っています。

5.2 定期性預貯金は607万円から511万円に減り、通貨性預貯金は556万円から710万円に

普通預金などの通貨性預貯金は556万円から710万円に増え、17年連続の増加でした。一方、定期預金などの定期性預貯金は607万円から511万円に減っています。

5年間の増減を足し合わせると、有価証券の200万円増と通貨性預貯金の154万円増が、定期性預貯金の96万円減を上回り、貯蓄全体では268万円の増加になります(LIMO編集部の計算)。

6. 何十年分の貯蓄の数字を読むときに確かめたいこと

長い期間の貯蓄の推移は、比べ方によって見え方が変わります。数字を読むときに押さえておきたい点をまとめます。

6.1 金額は名目で、物価の変化は差し引いていない

ここで取り上げた貯蓄と年間収入の金額は、いずれもその年の金額そのものです。物価の上がり下がりは差し引いていないため、68.6倍という数字は、暮らしの豊かさが68.6倍になったことを意味するものではありません。

6.2 平均の貯蓄は、一部の世帯の金額に引き上げられやすい

推移で並べた貯蓄現在高は、貯蓄が「0」の世帯も含めた平均値です。2025年の平均2059万円に対して、貯蓄保有世帯の中央値は1264万円でした。自分の家庭と比べるときは、平均の推移だけでなく、中央値もあわせて確かめておくと、差を大きく受け止めすぎずに済みます。

7. まとめ

総務省統計局の家計調査(貯蓄・負債編)2025年平均では、二人以上の世帯の貯蓄現在高は平均2059万円で7年連続の増加、貯蓄保有世帯の中央値は1264万円でした。1959年の30万円と比べると68.6倍です。

2002年と比べると、年間収入は683万円から681万円とほぼ同じで、貯蓄は1688万円から2059万円へ371万円増えています。2020年からの5年では、有価証券が240万円から440万円に増えました。

長い期間の数字は、名目の金額であることと、平均値であることを踏まえて読むことが大切です。自分の家庭の残高も毎年同じ時期に書き留めておくと、家族で増え方を確かめやすくなります。

参考資料