4. 特別養護老人ホームの要介護4で費用額の1割を当てはめると、介護費用は月3万1880円

介護サービスを使ったときの自己負担は、費用の1割が原則です。統計の費用額に負担割合を当てはめて、月額の目安を出します。

4.1 自己負担は原則1割。一定以上の所得がある人は2割または3割

厚生労働省の介護事業所・生活関連情報検索では、介護保険サービスの自己負担は費用の1割、一定以上の所得がある人は2割または3割とされています。

特別養護老人ホームの要介護4の費用額31万8800円に当てはめると、1割で3万1880円、2割で6万3760円、3割で9万5640円です。

4.2 ひと月の自己負担が上限を超えると、高額介護サービス費で払い戻される

ひと月の利用者負担が所得に応じた上限額を超えた場合、超えた分は高額介護サービス費として介護保険から支給されます。市区町村への申請が必要です。

2割や3割の人の計算額がそのまま毎月の負担になるとは限りません。親の住む市区町村の介護保険の窓口で、世帯の区分と上限額を確かめられます。

5. 施設の食費・居住費は介護保険の対象外。食費の基準費用額は2026年8月から1日1545円

施設に入所すると、介護サービスの自己負担とは別に、食費と居住費がかかります。国が定める基準費用額を確認します。

5.1 食費の基準費用額は1日1445円から1545円に100円引き上げられた

厚生労働省は令和8年度介護報酬改定で、介護保険施設などの食費の基準費用額を2026年8月から1日100円引き上げました。7月までの1445円が、8月から1545円になっています。

居住費の基準費用額は、特別養護老人ホームなどの多床室で1日915円、従来型個室で1231円、ユニット型個室で2066円です。

特別養護老人ホームに要介護4で入所した場合の月額の目安(1割負担・30日)2/2

特別養護老人ホームに要介護4で入所し1割負担の場合に、介護費用・食費・居住費を30日分で計算し、多床室とユニット型個室の月額の合計を比べた表

出所:厚生労働省「令和7年度 介護給付費等実態統計の概況」、厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1481」を参考にLIMO編集部作成

5.2 要介護4・1割負担・多床室なら、食費と居住費を足して月10万5680円

要介護4で1割負担の人が多床室に30日入所した場合、介護費用3万1880円、食費4万6350円、居住費2万7450円で、合計は10万5680円です。ユニット型個室なら居住費が6万1980円になり、合計は14万210円です。

介護事業所・生活関連情報検索では、特別養護老人ホームの要介護5・多床室の目安を月約10万9930円(日常生活費約1万円を含む)としています。統計の費用額には施設ごとの加算なども含まれるため、実際の介護費用は施設によって変わります。

5.3 住民税非課税世帯などは、食費・居住費の負担限度額の認定を受けられる

世帯全員が住民税非課税で、預貯金などが基準以下の人は、市区町村で負担限度額の認定を受けると、食費・居住費の負担が軽くなります。基準費用額との差額は、介護保険から特定入所者介護サービス費として支給されます。

食費の負担限度額は、第1段階が1日300円、第2段階が390円、第3段階①が680円、第3段階②が1420円です。第3段階①は30円、第3段階②は60円、2026年8月から引き上げられました。

6. まとめ

令和7年度の介護給付費等実態統計で、受給者1人あたり費用額は特別養護老人ホームが月31万6500円、介護老人保健施設が34万2600円、介護医療院が41万3800円でした。特別養護老人ホームは要介護1の24万8900円から要介護5の34万1400円まで、要介護度で変わります。

要介護4の費用額に1割を当てはめ、2026年8月から1日1545円になった食費と多床室の居住費を足すと、月10万5680円が目安です。

負担割合は介護保険負担割合証で、施設ごとの料金は重要事項説明書で確かめられます。親の要介護度と世帯の所得にあてはめて、家族で費用の見通しを共有しておくと安心です。

参考資料