親の介護が重くなり、施設への入所を考え始めると、月にどれくらいの費用がかかるのかが気になります。施設の種類や要介護度によって、介護サービスの費用は変わります。
厚生労働省は2026年9月30日、「令和7年度 介護給付費等実態統計の概況」を公表しました。施設サービスの種類別・要介護度別に、受給者1人あたりの費用額が示されています。
この記事では、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院の費用額を要介護度別に並べ、入所している人の要介護度の内訳も確認します。
1. 介護給付費等実態統計で、特別養護老人ホームの受給者1人あたり費用額は月31万6500円
介護保険の施設サービスには、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護医療院の3種類があります。まず、介護給付費等実態統計で施設ごとの費用額を確認します。
1.1 令和8年4月審査分の施設サービスの費用額は、介護医療院が最も高い41万3800円
令和8年4月審査分の受給者1人あたり費用額は、特別養護老人ホームが31万6500円、介護老人保健施設が34万2600円、介護医療院が41万3800円でした。
施設サービス全体では、受給者1人あたり33万2000円です。居宅サービスの12万8000円、地域密着型サービスの18万4100円を上回ります。
1.2 費用額は、介護保険から出る分と利用者が支払う分を合わせた金額
介護給付費等実態統計の費用額は、保険給付額、公費負担額、利用者負担額を合計した額です。利用者が窓口で支払う金額そのものではありません。
令和7年度に一度でも施設サービスを受けた人は135万2000人で、このうち特別養護老人ホームは76万1200人でした。
2. 特別養護老人ホームの費用額は、要介護1の24万8900円から要介護5の34万1400円
施設サービスの費用額は、同じ施設でも要介護度が上がるほど高くなります。3つの施設について、要介護度別の費用額を並べます。
【介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)】
- 総数:31万6500円
- 要介護1:24万8900円
- 要介護2:27万4900円
- 要介護3:29万5900円
- 要介護4:31万8800円
- 要介護5:34万1400円
【介護老人保健施設】
- 総数:34万2600円
- 要介護1:29万7000円
- 要介護2:31万8000円
- 要介護3:34万2000円
- 要介護4:36万1900円
- 要介護5:37万7900円
【介護医療院】
- 総数:41万3800円
- 要介護1:26万6300円
- 要介護2:30万3300円
- 要介護3:37万3800円
- 要介護4:41万5000円
- 要介護5:44万3100円
2.1 特別養護老人ホームの要介護5は、要介護3より4万5500円高い
特別養護老人ホームでは、要介護3の29万5900円に対し、要介護5は34万1400円で、差は4万5500円です。
介護医療院は要介護1が26万6300円、要介護5が44万3100円で、要介護度による差が3つの施設のなかで最も大きくなっています。
3. 特別養護老人ホームの入所者は要介護4が41.9%。入所は原則として要介護3以上
施設によって、入所している人の要介護度の分布も違います。特別養護老人ホームの入所の条件とあわせて確認します。
3.1 特別養護老人ホームは要介護3から5で96.2%を占める
令和8年4月審査分で、特別養護老人ホームの受給者は要介護4が41.9%と最も多く、要介護3が27.8%、要介護5が26.5%でした。要介護3から5を合わせると96.2%です。
介護医療院は要介護5が43.1%、要介護4が39.2%と、重度の人の割合がさらに高くなっています。介護老人保健施設は要介護1から5まで幅広く、要介護4の28.7%が最も多い区分です。
3.2 要介護1・2の人は、やむを得ない理由がある場合に限って入所できる
厚生労働省の介護事業所・生活関連情報検索では、特別養護老人ホームの新規入所は原則として要介護3から5の人が対象とされています。
要介護1・2の人は、やむを得ない理由がある場合を除いて入所できません。要支援1・2の人は利用できません。
特別養護老人ホームの受給者1人あたり費用額は月31万6500円で、要介護4なら31万8800円です。入所している人の96.2%は要介護3から5でした。
親の要介護度と、検討している施設の種類を当てはめると、介護サービスにかかる費用の大きさをつかめます。実際の金額は、施設ごとの重要事項説明書で確かめられます。
ここからは、費用額に自己負担の割合を当てはめた月額と、介護保険の外でかかる食費・居住費を見ていきます。
統計の費用額は、介護保険から支払われる分も含めた金額です。家族が負担する額を考えるときは、ここに負担割合を掛け、食費と居住費を足して見ていくことになります。
施設を見学するときは、重要事項説明書の料金表を受け取り、親の要介護度の欄を家族で一緒に確かめておくと安心です。
