4. 新NISAの積立投資で知っておきたい2つの注意点
新NISAは運用益が非課税になる制度ですが、元本は保証されません。積み立てを始める前と続ける間に、押さえておきたい点を2つ確認します。
4.1 NISA口座で出た損失は、損益通算や繰越控除ができない
NISAで買った投資信託は、値動きによって買ったときの金額を下回ることがあります。課税口座であれば、損失をほかの利益と相殺する損益通算や、翌年以降に繰り越す繰越控除ができますが、NISA口座の損失はその対象になりません。
4.2 売却して空いた非課税保有限度額は、翌年以降に使える
保有している商品を売却すると、買ったときの金額(簿価)の分だけ非課税保有限度額が空きます。ただし、その枠を再び使えるのは翌年以降です。売却しても、その年の年間投資枠が戻るわけではありません。
5. J-FLECの平均残高を自分のNISA口座と比べるときの3つの前提
1ページ目の平均残高は、J-FLECの調査票の回答から計算された数字です。自分の口座と比べる前に、調査で何を聞いているかを確かめておきます。
5.1 平均は、残高を回答した世帯だけで計算されている
調査結果の注記では、新NISAの残高は「金融資産保有世帯のうち、各項目の金額回答世帯の平均値」とされています。つみたて投資枠を使っていない世帯は、平均の計算に入っていません。
そのため、112万円は「二人以上世帯全体の平均」ではなく、「つみたて投資枠に残高がある世帯の平均」と読むのが正確です。
5.2 世帯の残高なので、家族のNISA口座を合わせた額にあたる
調査は世帯単位で、家庭の金融資産のうち、各種NISA口座で保有する残高を回答する形です。NISA口座は1人1口座ですが、世帯の回答には家族の口座の分も含まれます。
夫婦で別々に積み立てている場合は、2人の口座の残高を合計してから比べると、調査と同じ条件になります。
5.3 株式や投資信託は回答時点の時価、非課税保有限度額は簿価で管理される
調査票では、株式や投資信託の残高を時価(記入時の相場)で回答する形になっています。一方、生涯の非課税保有限度額1800万円は買ったときの金額で管理されます。
金融機関の画面に表示される評価額と、非課税保有限度額の使用額は別の数字です。どちらを見ているのかを確かめてから記録すると、家族で残高を共有するときにも数字を取り違えにくくなります。
6. まとめ
J-FLECの「家計の金融行動に関する世論調査2025年」では、二人以上世帯の新NISAの平均残高は、つみたて投資枠が112万円、成長投資枠が180万円でした。年間収入別では、つみたて投資枠が63万円から167万円、成長投資枠が122万円から226万円まで分かれています。
この平均は、残高を回答した世帯の、家族の口座を合わせた額です。自分の家庭と比べるときは、夫婦それぞれの口座の残高を合計し、評価額と非課税保有限度額の使用額を分けて書き出すと、条件をそろえて確かめられます。
つみたて投資枠で投資信託を選ぶときは、信託報酬と投資先を確かめ、偏りや重複がないかを見たうえで、家計に無理のない額で続けることが基本になります。
※本記事は制度や統計を解説するもので、特定の金融商品の購入・売却を勧めるものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身で行ってください。