株式市場の振り返り-日経平均株価は7日続伸、TOPIXとともに年初来高値更新
2019年10月29日(火)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 22,974円(+106円、+0.5%) 7日続伸
- TOPIX 1,662.6(+14.2、+0.9%) 反発
- 東証マザーズ株価指数 877.3(+9.8、+1.1%) 8日続伸
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:1,520、値下がり銘柄数:555、変わらず:80
- 値上がり業種数:28、値下がり業種数:5
- 年初来高値更新銘柄数:224、年初来安値更新銘柄数:1
東証1部の出来高は13億2,465万株、売買代金は2兆3,278億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。FOMCや日銀金融政策決定会合など月末のイベントなどを控え、特に目立ったニュースはなかったものの、米国株高と円安を背景にリスクオンモードが強まりました。
売買代金は高水準には程遠い状況ですが、前日より約5,000億円増加して2兆円台を回復しています。
そのような中、日経平均株価は上値を試しながらも、依然として膠着感が強い値動きとなりました。寄り付き後すぐに一時+141円高まで上昇し、取引時間中としては昨年10月11日以来となる23,000円台を回復しました(23,008円、年初来高値更新)。
ただ、その後は上値が重くなり、後場に入ると22,950~22,980円のレンジ内での推移となり、結局はそのまま引けています。これで7日続伸となったものの、終値で23,000円台回復はお預けとなりました。
なお、TOPIXも同じような値動きで年初来高値を更新するなど反発し、上昇率は日経平均株価を上回りました。
東証マザーズ株価指数は8日続伸、売買代金は56日連続で1,000億円割れ
東証マザーズの出来高は4,585万株、売買代金710億円となり、いずれも前日より増加しました。個人投資家の物色意欲がやや回復しましたが、売買代金は56日連続の1,000億円割れとなりました。売買代金1,000億円というのは決して高いハードルではないのですが、それだけ個人投資家のマインド回復が遅れていることを表しています。
なお、一部主力銘柄が買われた結果、株価指数は今年2度目の8日続伸となりました。ここから再び900ポイント回復を目指していくのか注目です。
トヨタ自動車が連日で年初来高値更新、好決算発表のHOYAが上場来高値
個別銘柄では、半導体関連を中心にハイテク株が買われるトレンドが継続し、オムロン(6645)、TDK(6762)、アドバンテスト(6857)、SUMCO(3436)が4日連続で年初来高値を更新し、東京エレクトロン(8035)や太陽誘電(6976)も連日の年初来高値更新となりました。ただ、ザラバで年初来高値を付けた後は売りに押され、終値は下落する銘柄も少なくありませんでした。
また、ハイテク株の中では、取引時間中に好決算を発表したHOYA(7741)が直後から+4%超高まで急騰し、上場来高値を更新したのが目を引きました(当然、年初来高値更新です)。
ハイテク株以外で年初来高値を更新した銘柄の中では、トヨタ自動車(7203)、アステラス製薬(4503)、中外製薬(4519)、ダイキン工業(6367)、ブリヂストン(5108)などがありました。
なお、ソフトバンクグループ(9984)は大きく値を上げ、6日ぶりの反発で引けています。その他では、金融株に対する物色も続き、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が7連騰となりました。
一方、前日に通期業績予想を下方修正したファナック(6954)が一時▲3%安まで売られましたが、終値は▲1%未満安で収まりました。
また、同じく通期予想の下方修正に踏み切ったキヤノン(7751)も一時▲4%安まで下落しましたが、こちらも終値は▲1%未満の下落で引けています。
新興市場(東証マザーズ)では、中村超硬(6166)が連日でストップ高まで買われました。また、メルカリ(4385)も3日続伸となっています。一方、ブライトパス・バイオ(4594)が冴えない値動きとなりました。
葛西 裕一