4. 厚生年金の70歳代と80歳代の男女差
厚生年金の平均年金月額は、男女で年齢による動き方が違います。先ほどの図の男子・女子の列を、もう少し詳しく見ていきます。
4.1 男子の70歳代と80歳代
厚生年金の男子は、70〜74歳が16万2232円、75〜79歳が16万9872円です。80〜84歳は18万1340円、85〜89歳は19万7343円で、5歳刻みのどの区分でも年齢が上がるほど高くなっています。
70〜74歳と85〜89歳の差は月3万5111円です。90歳以上は21万489円で、男子は90歳以上まで上がり続けています。
4.2 女子の70歳代と80歳代
厚生年金の女子は、70〜74歳が11万4817円、75〜79歳が11万1901円、80〜84歳が11万2286円です。85〜89歳は11万6318円で、70歳代と80歳代の各区分の差は月4417円の範囲に収まっています。
女子の場合、70〜74歳は80〜84歳より高い金額です。男女計で見た「80歳代のほうが高い」という傾向は、女子では当てはまらない区分があります。
5. 10月15日に振り込まれる年金は天引きの額が変わることも
平均年金月額は額面の金額で、保険料などが天引きされている人は、振り込まれる額がここから少なくなります。10月15日の振込で確かめておきたい点を整理します。
5.1 年金は偶数月の15日に、前月までの2か月分が支払われる
日本年金機構によると、年金は原則として年6回、偶数月の15日に支払われます。15日が土日・祝日のときは、その直前の平日が支払日です。
各支払月には前月までの2か月分が支払われ、10月は8月分と9月分、12月は10月分と11月分になります。
5.2 国民健康保険料の天引きは、10月から本徴収に切り替わる
年金から天引きされる保険料には、1年のなかで1回あたりの額が変わるものがあります。たとえば国民健康保険料について、吹田市は、前年度から続けて天引きされている世帯は4月・6月・8月に前年度2月と同じ額を仮に納め、10月・12月・2月に残りを納めると案内しています。
前の年度より保険料が上がっていれば、10月からの1回分は8月までより多くなります。保険料の計算を担当していた頃、窓口では「天引き額が急に上がった」という相談をよく受けてきました。
5.3 振込額が変わるときは「年金振込通知書」が届く
日本年金機構によると、年金振込通知書は毎年6月に1年分の年金支払額などをまとめて知らせるものです。そのほか、年金振込額や受取金融機関に変更があった場合に、その都度、振込月の上旬ごろに送られます。
10月の振込額が8月と違っていたら、手元の年金振込通知書で、差し引かれている保険料や税金の欄を見比べてみてください。天引きされている保険料の額が分からないときは、市区町村の担当窓口で確かめられます。
6. まとめ
令和6年度末時点の平均年金月額で比べると、厚生年金は70〜74歳の14万7730円に対して85〜89歳が16万5486円と、80歳代のほうが高くなっていました。一方、国民年金は70〜74歳の6万339円が最も高く、80〜84歳の5万8454円が最も低いという逆の結果です。
男女別では、厚生年金の男子が年齢とともに上がり、女子は70歳代と80歳代の差が小さくなっています。いずれも令和6年度の年金額にもとづく平均で、10月15日に支給される令和8年度の額とは年度が違います。
まずは10月15日に振り込まれた額と年金振込通知書を見比べ、自分の年金の額面と振込額を確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報(令和6年度)」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「通知書の見方を調べる」
- 吹田市「国民健康保険料の年金からの特別徴収」
- 内閣府「生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)」
太田 彩子