3. 扶養を外れたパートの国民健康保険料を、大阪府の令和8年度の料率で試算する

扶養を外れて国民健康保険に入ると、保険料はいくらになるのでしょうか。大阪府は府内で統一の保険料率を使っており、府内なら同じ所得と世帯構成で同じ保険料になります。

ここでは、枚方市が公表している令和8年度の料率で、会社員の夫の扶養を外れた45歳の妻が1人で国民健康保険に入る場合を試算しました。

3.1 年収135万円なら、所得割のもとになる所得は27万円

令和8年度の国民健康保険料は、令和7年中の所得で計算します。令和7年も年収135万円だったとすると、給与所得控除65万円を引いた給与所得は70万円です。

ここから基礎控除43万円を引いた27万円に、所得割の料率をかけます。40歳以上65歳未満の人は介護分もかかるため、料率は医療分9.50%、後期高齢者支援金分3.06%、介護分2.60%、子ども・子育て支援金分0.28%です。

3.2 国民健康保険料は年15万3145円、国民年金と合わせて36万8185円

所得割は合計4万1688円、均等割は4つの区分の合計で6万6704円、1世帯ごとにかかる平等割は4万4753円です。合計は、端数処理をしない概算で年15万3145円になりました。

国民年金保険料の21万5040円と合わせると、1年間の負担は36万8185円です。年収135万円の人にとって、収入の約27%にあたります。

年収135万円・45歳のパートが扶養を外れたときの国民健康保険料と国民年金保険料の内訳2/2

大阪府の令和8年度の料率による国民健康保険料の区分別の内訳と、国民年金保険料を合わせた年額36万8185円の試算表

出所:枚方市「令和8年度の国民健康保険料について」、日本年金機構「国民年金保険料」を参考にLIMO編集部作成

4. 国民健康保険料の軽減の判定には、国民健康保険に入っていない夫の所得も入る

国民健康保険には、所得が低い世帯の均等割と平等割を7割・5割・2割軽くする制度があります。ただし、扶養を外れた妻だけが加入する世帯では、判定に使う所得に注意が必要です。

国民健康保険の保険料を計算していた頃は、世帯の中で1人だけが加入する場合の判定の仕組みを、窓口で説明する機会がたびたびありました。

4.1 国民健康保険に入っていない夫が世帯主なら「擬制世帯主」として判定に含まれる

枚方市によると、世帯主が国民健康保険に入っていなくても、家族に加入者がいれば、世帯主が保険料を納める義務を負います。このような世帯主を擬制世帯主といいます。

擬制世帯主の所得は、保険料を計算するための所得には含まれません。一方で、軽減を判定するための所得には含まれると、枚方市は案内しています。

4.2 夫の所得が40万円を超えると、2割軽減にも当たらない

試算の世帯で2割軽減を受けられるのは、夫が世帯主で給与所得者等が夫婦2人なら、世帯の所得が43万円+57万円×加入者1人+10万円の110万円以下の場合です。妻の所得70万円に夫の所得を足すため、夫の所得が40万円を超えると軽減には当たりません。

会社員として働く夫がいる世帯では、試算のように軽減なしの保険料になることが見込まれます。妻1人の収入だけを見て、軽減を当てにしないほうが安心です。

5. 国民健康保険料は加入した月から月割り。届出と前年の所得で額が決まる

扶養を外れる時期によって、その年度に納める国民健康保険料の額は変わります。最後に、加入した年度の保険料の決まり方を確認します。

5.1 年度の途中で加入すると、加入した月から3月までの月割りで計算する

枚方市は、年度の途中で加入した場合、届け出た月にかかわらず資格を取得した月から月割りで計算するとしています。11月に扶養を外れて加入したなら、11月から3月までの5か月分です。

試算の年15万3145円を12か月で割って5か月分をかけると、6万3810円ほどになります。届出が遅れても資格を取得した月から計算されるため、扶養を外れたら早めに住んでいる市区町村の窓口で手続きをしておきたいところです。

5.2 翌年度は、扶養を外れた年の所得で計算される

国民健康保険料は前の年の所得で計算するため、収入を増やした年の所得は翌年度の保険料に反映されます。働く時間を増やして年収が大きく上がった場合、翌年度の国民健康保険料も上がると考えておくと安心です。

扶養の範囲で働くか、130万円を超えて働くか迷ったときは、勤め先の担当者と、住んでいる市区町村の国民健康保険・国民年金の窓口で、自分の場合の保険料を確かめてから決めるのがおすすめです。

6. まとめにかえて

10月1日に社会保険の賃金要件は撤廃されましたが、従業員50人以下の会社や週20時間未満で働く人にとって、130万円は配偶者の扶養から外れるかどうかの線として残っています。令和8年4月からは、労働契約から見込まれる年間収入で判定されます。

扶養を外れると、国民年金保険料の年21万5040円に国民健康保険料が加わり、大阪府の料率で年収135万円・45歳なら合計は年36万8185円です。働き方を変える前に、勤め先と市区町村の窓口で保険料を確かめておくと、手取りの見通しを立てやすくなります。

参考資料

太田 彩子