老後に国から受け取るお金は、65歳より遅く受け取り始めると月々の額が増えます。ただ、「自分の働き方だと、遅らせたら実際いくらになるのか」までは、なかなか想像しにくいのではないでしょうか。
厚生労働省の令和8年度の概算では、会社員の期間が中心の男性が65歳で受け取る額は月17万6793円です。この額をもとに受け取り開始を70歳まで遅らせると、「月約25万1046円」になります(編集部試算)。
66歳から74歳までの間、まだ受け取りを始めていない人には、誕生月の初旬に「繰下げ見込額のお知らせ」が毎年順次届きます。受け取るお金は、全員に共通する基礎部分と、会社員の期間に応じた上乗せ部分に分かれていて、片方だけを遅らせることもできます。
この記事では、働き方別の5つのタイプについて、受け取り開始を遅らせた場合の月額と、片方だけを遅らせた場合の月額をシミュレーションします。
1. 65歳で受け取るといくら?働き方で月6万円台から17万円台まで差
厚生労働省は、令和6年度に65歳になった人の加入期間や収入をもとに、働き方別・男女別の令和8年度の月額を概算しています。それぞれの期間が20年以上の人を対象にした5つのタイプの額は、次のとおりです。
会社員の期間が中心の男性は、会社員として働いた期間が平均39.8年、その間の平均収入(賞与を含む月額換算)が50.9万円という前提です。会社員の期間が中心の女性は月13万4640円で、会社員として働いた期間は平均33.4年です。
会社員や公務員に扶養されていた期間が中心の女性は月7万8249円、自営業などの期間が中心の人は、男性が月6万3513円、女性が月6万1771円でした。
1.1 基礎部分と上乗せ部分の内訳
厚生労働省の資料には、それぞれの額の内訳も示されています。会社員の期間が多いタイプほど、上乗せ部分の割合が大きくなっています。
- 会社員中心の男性:基礎部分6万9951円、上乗せ部分10万6842円
- 会社員中心の女性:基礎部分7万1881円、上乗せ部分6万2759円
- 扶養中心の女性:基礎部分6万9016円、上乗せ部分9234円
なお、基礎部分には振替加算などの加算額も含まれていて、端数処理のため内訳の合計が額と一致しないことがあるとされています。
2. 受け取りを遅らせるといくら増える?70歳開始で月25万1046円
受け取り開始を66歳以後に遅らせる繰下げ受給では、1か月ごとに0.7%、70歳開始なら42%、75歳開始なら84%増えます。
5つのタイプの概算額を65歳時点の月額とみなし、受け取り開始を遅らせた場合の月額を試算しました。
会社員中心の男性は、70歳開始で月25万1046円、75歳開始で月32万5299円(編集部試算)2/3
出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」、日本年金機構「年金の繰下げ受給」をもとにLIMO編集部が試算
試算は、65歳時点の月額に「1+増額率」を掛け、円未満を切り捨てています。
- 遅らせた場合の月額 = 65歳時点の月額 ×(1+増額率)
会社員中心の男性は、70歳開始なら65歳開始より月7万4253円多くなります。自営業など中心の女性は70歳開始で月8万7714円で、増える額は月2万5943円です。
