株式市場の振り返り-荒い値動きの中、後場に切り返して続伸。新興市場は好調続く。

2016年4月8日(金)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+0.5%の上昇、TOPIXは+1.2%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数は+4.7%の大幅上昇で3日続伸となり、1,000ポイントの大台超えとなりました。

日経平均株価は、前日比▲152円安で寄り付いた後は下げ足を速め、一時▲278円安まで下落しました。しかし、後場に入ってから一気に切り返し、一時は+277円高まで上昇する場面が見られました。その後は弱含み、大引けは+72円高の15,821円で終わっています。日中の値幅が555円に達するなど、ボラティリティの高い取引でした。

東証1部で上昇したのは1,388銘柄、値下がり464銘柄、変わらず98銘柄でした。東証1部の出来高は25億458万株、売買代金は2兆5,798億円(概算)となっています。

セクター動向と主要銘柄の動き-32業種が上昇、不動産のみが下落

東証1部で上昇したのは32業種、下落したのは不動産のみでした。上昇率上位は、ガラス・土石+2.3%、機械+2.2%、水産・農林+2.2%、鉄鋼+2.2%、石油・石炭+2.0%などでした。不動産以外は、内需、外需とも満遍なく買われた印象があります。

個別銘柄では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などの銀行株が上昇し、DMG森精機(6141)やコマツ(6301)などの機械株も軒並み上昇しました。また、急速な円高進行に歯止めが掛かったことなどから、マツダ(7261)などの自動車株も値を上げました。一方で、前日に業績下方修正を発表したファーストリテイリング(9983)が▲12.7%の急落となり、しまむら(8227)や良品計画(7453)等の小売株も値を下げました。ただ、同じ小売株でも、セブン&アイ・ホールディングス(3382)などは切り返して上昇に転じています。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-G20財務相会合を控えて様子見スタンスが強まる中、小売りの決算に注目。

8日は値動きの激しい相場となりましたが、全般的には底打ちの方向へ向かっているような雰囲気が感じられます。8日の上昇率は、日経平均株価が+0.5%、TOPIXが+1.2%と大きな差が生じましたが、“ユニクロ・ショック”を割り引くと、TOPIXの上昇率の方が実態を表していると言えましょう。また、出来高、売買代金ともに徐々にではありますが増えてきたのも好材料です。

一方で、為替相場は依然として不安定です。現在の円ドルレートは行き過ぎの感はありますが、今週は13日から始まるG20財務相会議などのイベントも多いため、早期に是正に向かうことは難しいかもしれません。自動車、精密機器、電子部品などの輸出関連株には、引き続き注意が必要でしょう。いずれにせよ、様子見スタンスが強くなる可能性が高いと考えられます。

さて、今週も小売セクターを始めとして、2月期の決算発表がピークとなります。“ユニクロ・ショック”が波及しなければ、10日(月)は小売セクターに引き続き注目したいと思います。また、8日は唯一の下落業種となった不動産セクターは、月末の日銀政策決定会合を睨みながらリバウンドが期待できる状況にあります。新興市場の好調を勘案すると、全体的には値嵩株よりも低位株へ関心が移る可能性もあると考えられます。

【2016年4 月8日 投信1編集部】

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LIMO編集部