米財務省によると、2026年10月2日の米国10年債の利回りは5.28%でした。同じ日の東京市場で、ドル円は157円54銭から158円21銭の範囲で推移しています。

年5%を超える利回りは魅力的に映る一方で、この先、円高と円安のどちらに進むかは誰にも読めません。「利回りが高くても、円高になったら損をするのでは」と迷う方もいるのではないでしょうか。

この記事では、1ドル157円で米国債を買った場合に、満期まで持つと円高がいくらまで進んでも元本割れしないのかを、1年・2年・5年・10年の満期別に試算します。

1. 米国債の利回りは5%を超え、ドル円は157円台

まずは、米国債の利回りとドル円の足元の水準を、一次資料で確認します。

1.1 10年債は5.28%、5年債は5.06%

米財務省が公表している国債の利回り(Daily Treasury Par Yield Curve Rates)によると、2026年10月2日の年限別の利回りは次のとおりです。

  • 1年債:4.46%
  • 2年債:4.83%
  • 5年債:5.06%
  • 10年債:5.28%
  • 30年債:5.63%

5年以上の年限では、利回りが5%を超えています。

1.2 ドル円は157円台で推移

日本銀行の外国為替市況によると、10月2日の東京市場でのドル円は、157円54銭から158円21銭の範囲で推移しました。ここからは、計算しやすいように1ドル157円で米国債を買った場合を考えます。

2. 1ドル157円で買うと、円高はいくらまで耐えられる?

米国債を満期まで持てば、額面のドルが戻ってきます。ただし、円に戻すときの為替レートが購入時より円高になっていれば、その分だけ円での受取額は減ります。どこまでの円高なら利息で吸収できるのかを、満期別に試算します。

2.1 試算の前提と計算式

試算では、額面価格で購入し、利息は毎年1回受け取ってドルのまま保有するものとします。利息には20.315%が課税され、為替手数料は含めていません。

  • 損益分岐の為替レート=購入時の為替レート÷(1+税引後の利回り×年数)

1ドル157円で米国債を購入し満期まで保有した場合の損益分岐の為替レート(試算)1/2

1ドル157円で米国債を購入し満期まで保有した場合の損益分岐の為替レート(試算)

出所:米財務省「Daily Treasury Par Yield Curve Rates」をもとにLIMO編集部作成

グラフを見ると、満期が長いほど受け取る利息が積み上がるため、より大きな円高まで耐えられることが分かります。

2.2 満期別の損益分岐点は1年債151.6円、10年債110.5円

1ドル157円で購入した場合の、満期別の損益分岐の為替レートは次のとおりです。

  • 1年債(利回り4.46%):151.6円
  • 2年債(利回り4.83%):145.8円
  • 5年債(利回り5.06%):130.7円
  • 10年債(利回り5.28%):110.5円

たとえば10年債なら、10年後に1ドル110.5円程度まで円高が進んでも、受け取った利息を含めた円での受取額は、購入時の金額とほぼ同じになる計算です。一方、1年債では、151.6円より円高になると円での元本割れになります。

2.3 為替手数料を入れると損益分岐点は円安寄りになる

実際には、円をドルに換えるときと、ドルを円に戻すときに為替手数料がかかります。

手もとに米ドル資産がない場合、米国債を証券会社で買うときには円をドルにします。

仮に為替手数料が片道50銭とすると、損益分岐点は1年債で152.6円、10年債で111.4円となり、手数料がない場合より円安寄りになります。

和田 直子

利回りの高さだけを見ると魅力的ですが、外貨建ての資産は「いくらまで円高になったら損をするのか」を先に数字で押さえておくことが大切です。満期までの期間が短いほど損益分岐点は購入時のレートに近く、わずかな円高でも元本割れしやすい点を覚えておきたいです。