先日、SNSにて「家事は1時間で終わる」という男性の投稿が話題を呼びました。自分なら3分でお弁当を作る、という発言にモヤモヤした人も多かったようです。実際、食材を「焼く時間」、掃除機を「かける時間」、洗濯機の「ボタンを押す時間」だけであれば、それらは可能かもしれません。ただ、本当にそれは家事をこなしたと呼べるのでしょうか。
家事を「やった気分」でいる夫たち
妻が熱を出してしまった、急な残業が発生したので昨日はすべての家事を担った…そんなことを誇らしげに語る夫たち。確かにそれは大変ありがたい行為です。しかし、一晩頼まれた家事を実行しただけで「たいしたことなかった」と判断していいのでしょうか。
冒頭でも少し触れたように、お肉を焼いたり、掃除機をかけたりする時間というのは何時間もかかるものではありません。電化製品のなかった時代と比べ、楽になったという人もいるでしょう。
しかし、毎日地続きで作業をする妻たちは、それに伴う「名もなき家事」を黙々とこなしています。お肉を焼く前に切ったまな板。そのまな板がいつも白いのは誰かがハイターをかけているから。その掃除機が抜群に吸い込むのは、誰かがこまめにフィルターの掃除をしているからです。これらを小人がやってくれるのであれば、妻だって1時間で家事を終えることができるかもしれません。
そんなたまに発生すること…と思うかもしれませんが、主婦の日常というのはそんなことの連続です。快適に「華やかな家事」ができる状況というのは、誰かの見えない努力の上にあることをもう少しだけ知って欲しい、それが妻たちのモヤモヤの原因となっているのではないでしょうか。
それでも理解しない単発バイト達
最も不毛な夫婦のやりとりに「今やろうと思ったのに」という会話があります。このやり取りをした時点で、やろうとした側も頼んでいた側も大変気分が悪い状況が生まれます。よくある会話ですが、それはどうして発生してしまうのでしょうか。
そもそも妻は「自分が面倒だからやって欲しい」わけではありません。今こなしたいことを分業して効率化を図りたいという妻に対し、夫は夫で「自分がまかされたのだからこちらのペースでやらせてほしい」という言い分があるようです。夫なりのペースがわからないわけでもありません。ですが、妻の仕事は単発ではありません。夫が1ピースの作業を後回しにすることにより、妻のやりたいルーティーンがかえってはかどらなくなることもあります。夫が洗ったそのお皿は、もう次の目的のために使用されようとしていることに夫側も早く気が付いて欲しい。妻たちはそんな風に思いながらイライラを募らせ、最終的に夫を単発バイトだから仕方ない、と割りきるようになってしまうのかもしれません。