4. 【後期高齢者医療】保険料を押し上げた「3つの主な要因」
厚生労働省は、2026・27年度の保険料の主な変動要因として、次のような点を挙げています。
4.1 1人あたり医療給付費は年約94.2万円の見込み
医療技術の高度化や高齢化の進展により、2026および2027年度の被保険者1人あたりの医療給付費は、全国平均で年約94万2000円が見込まれています。これは2年前から約4.89%の増加です。また、世代間の負担のバランスを公平に保つため、高齢者自身が負担する割合(後期高齢者負担率)も12.67%から13.27%へ見直されました。
4.2 出産育児支援金の激変緩和措置が終了
後期高齢者医療制度は、2024年4月から、出産育児一時金の費用の一部を支援しています(出産育児支援金)。2024・25年度は高齢者の負担の急増を和らげるため負担額が2分の1とされていましたが、この激変緩和措置は2026年度から終了しました。2026・27年度の出産育児支援金は、各年度260億円と推計されています。
4.3 剰余金と財政安定化基金で上昇を抑える
一方で、保険料の上昇を抑える要因もあります。2024・25年度は1人あたり医療給付費が見込みほど伸びなかったことなどから、各広域連合に剰余金が生じました。計2481億円の剰余金を、保険料の増加抑制に活用する見込みです。
このほか、都道府県に設置されている財政安定化基金から、計396億円の交付を見込んでいます。
5. 【後期高齢者医療】窓口負担「1割・2割・3割」どう決まる?
保険料とあわせて確認しておきたいのが、医療機関や薬局の窓口で支払う負担割合です。
5.1 2割負担は課税所得28万円以上などが条件
厚生労働省によると、後期高齢者医療の窓口負担割合は、現役並み所得者が3割、一定以上の所得がある方が2割、それ以外の方が1割です。
2割になるのは、課税所得が28万円以上で、かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯で200万円以上、複数世帯で合計320万円以上の方です。判定は世帯単位で行われ、遺族年金や障害年金は「年金収入」に含まれません。2割負担の対象は、被保険者全体の約20%とされています。
5.2 2割負担の方への配慮措置は2025年9月末で終了
2割負担の導入にあわせて、2022年10月から3年間、1か月の外来の負担増加額を3000円までに抑える配慮措置が設けられていましたが、この措置は2025年9月30日で終了しました。
窓口で支払う医療費が高額になったときは、高額療養費制度により、所得区分に応じた上限額を超えた分が払い戻されます。高額療養費の上限額は2026年8月に見直されているため、ご自身の区分の上限額は、加入している広域連合の最新の案内で確認してください。
6. 【後期高齢者医療】保険料と「1割・2割・3割」の負担割合、通知書で確認したい2つのポイント
後期高齢者医療の保険料は、住んでいる都道府県や所得によって大きく変わります。全国平均や都道府県の平均は目安として、ご自身の金額を確かめることが大切です。
6.1 保険料の軽減が受けられる場合も
所得が一定以下の方は、均等割が軽減されます。厚生労働省の資料では、基礎年金だけを受け取っている方(年金収入84万円)は均等割の7割軽減に該当し、2026・27年度の保険料は全国平均で月1309円とされています。
軽減の基準や保険料の額は広域連合によって異なります。届いた保険料の通知書などで、保険料の額や軽減の有無を確認してみましょう。
6.2 負担割合は所得が変わると変わることがある
窓口負担割合は所得をもとに判定されるため、所得が変わると負担割合も変わることがあります。ご自身の負担割合は、広域連合や市区町村から届く通知などで確かめられます。
保険料の納付や負担割合について分からない点がある場合は、お住まいの都道府県の後期高齢者医療広域連合や、市区町村の後期高齢者医療の担当窓口に問い合わせるとよいでしょう。
7. 【後期高齢者医療】月7989円はあくまで全国平均、保険料と窓口負担割合は通知書で確認を
今回は、2026年度からの後期高齢者医療制度の保険料や負担割合の変更点について解説しました。
2026および2027年度の平均保険料額は全国平均で月7989円となり、新たに加わった子ども分と合わせて負担が増加する見込みです。都道府県ごとの地域差も大きいため、お手元に届く通知書でご自身の金額と窓口負担割合をしっかり確認することが重要です。
制度の変更によって支出が増えることに心細く感じる方もいるかもしれませんが、日本の医療制度は高額療養費制度など、いざという時の家計を守る仕組みも整っています。正しい知識を持ち、必要なサポートを上手に活用しながら、安心できるシニアライフを描いていきましょう。
参考資料
村岸 理美
