3. 新たに障害者控除の対象になった家族は、扶養控除等申告書に「令和8年12月1日 改正」と書く

所得要件の見直しで新たに対象になった家族がいる場合、年末調整で障害者控除を受けるには、勤務先に申告書を出す必要があります。国税庁のQ&Aから、書き方と提出の時期を確認します。

3.1 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の「異動月日及び事由」欄に記入

国税庁は、改正で新たに扶養控除等の対象となる扶養親族等を「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に書くときは、「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」などと記載するよう案内しています。令和8年分の申告書に書く項目そのものに変更はありません。

申告書は、原則として令和8年12月1日以後、最初に給与の支払いを受ける日の前日までに提出します。年末調整を行う時までに提出があれば、その申告にもとづいて年末調整ができるとされています。

3.2 11月30日以前に最後の給与を受けた人は確定申告で

年の途中で退職した人などで、令和8年分の最後の給与の支払いが11月30日以前だった場合、その年末調整では改正後の控除は適用されません。改正後の控除を受けるには、確定申告などをする必要があります。

4. 16歳未満の子どもや配偶者も、障害者控除の対象になる

障害者控除は、扶養控除や配偶者控除とは別の所得控除です。そのため、扶養控除や配偶者控除を受けられない家族についても、障害者控除だけは受けられることがあります。

4.1 扶養控除のない16歳未満の扶養親族でも障害者控除は受けられる

16歳未満の扶養親族は扶養控除の対象になりませんが、国税庁は、障害者控除は16歳未満の扶養親族がいる場合にも適用されるとしています。障害者手帳を持つ子どもがいる場合は、年末調整の申告書で障害者の欄に記入します。

4.2 同一生計配偶者には、納税者本人の所得の条件がない

配偶者控除は、納税者本人の合計所得金額が1000万円を超えると受けられません。一方、障害者控除の対象になる同一生計配偶者の定義は、生計を一にする配偶者で合計所得金額が62万円以下(令和8年分)であることで、納税者本人の所得の条件は入っていません。

5. 住民税の障害者控除は26万円・30万円・53万円

住民税にも障害者控除があり、控除額は所得税と異なります。新宿区の案内によると、障害者が26万円、特別障害者が30万円、同居特別障害者が53万円です。

5.1 障害者本人の前年の合計所得が135万円以下なら住民税は非課税

納税者本人が障害者で、前年の合計所得金額が135万円以下の場合、住民税は非課税になります。住民税は前年の所得をもとに計算されるため、令和8年中の所得は、令和9年度の住民税に関係します。

ファイナンシャル・プランナーとして家計相談をお受けしていると、ご家族の障害者手帳の等級は把握していても、その方のパート収入が扶養の範囲に入るかまでは確かめていない方が少なくありません。障害者控除は、ご家族の収入と手帳の等級の2つがそろってはじめて判断できます。

ファイナンシャル・プランナーとしてお伝えしたいのは、12月の年末調整の前に、ご家族の令和8年中の給与収入の見込みと障害者手帳の等級を手元で確認しておくことです。新たに対象になる場合は、勤務先への申告書の提出までを一続きの準備として考えてみましょう。

6. まとめ

所得税の障害者控除は、障害者が27万円、特別障害者が40万円、同居特別障害者が75万円です。特別障害者には、身体障害者手帳1級・2級、精神障害者保健福祉手帳1級、療育手帳で重度(A)と表示されている人などが当たります。

令和8年分からは、対象になる家族の所得要件が合計所得62万円以下、給与だけなら給与収入136万円以下に広がり、12月の年末調整から反映されます。新たに対象になった家族がいるときは、扶養控除等申告書に「令和8年12月1日 改正」と書いて提出します。

参考資料

村岸 理美