3. 暮らしに役立つ支援、電車・バスの無料乗車券や医療費の助成などがある
手帳を持つ方が受けられる支援の内容は、住んでいる自治体によって異なります。ここでは東京都の制度を一例として紹介します。
3.1 都内に住民票のある手帳所持者は、都営交通無料乗車券の対象
東京都交通局は、都内に住民票のある身体障害者手帳をお持ちの方などに「都営交通無料乗車券」を発行しています。通用期間は3年で、都営地下鉄全線、都営バス(一部路線を除く)、都電、日暮里・舎人ライナーで利用できます。JRや私鉄、東京メトロ、民営バスでは利用できません。
3.2 1・2級などの方は、医療費の助成「マル障」の対象
東京都の心身障害者医療費助成制度(マル障)は、身体障害者手帳1級・2級の方(内部障害は3級も含む)などを対象に、医療保険の自己負担の一部を助成する制度です。所得制限があり、65歳以上で初めて対象の障がいに該当した方などは申請できません。
3.3 重度心身障害者手当は、等級だけでなく条例の要件で判断される
東京都重度心身障害者手当は、心身に重度の障がいがあり、常時複雑な介護を必要とする方に、月額6万円が支給される東京都の手当です。手帳の等級が重度と判定されただけでは対象にならず、条例で定める障がいの要件に該当する必要があります。所得制限もあります。
身体障害者手帳を持つ方が対象になる、東京都の制度の一例です。対象や内容は自治体によって異なります。3/4
出所:東京都交通局「都営交通無料乗車券」、東京都福祉局「心身障害者医療費助成制度(マル障)」、東京都心身障害者福祉センター「東京都重度心身障害者手当」をもとにLIMO編集部作成
東京都心身障害者福祉センターも、手帳を持つ方が受けられるサービスは区市町村によって違いがあるとしています。利用できる制度は、お住まいの区市町村の障害福祉担当窓口で確認してください。
4. 身体障がい者の就職率は36.3%。ハローワークの2025年度実績をみる
厚生労働省が2026年6月に公表した「令和7年度ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況など」から、身体障がい者の就職の状況を確認します。
4.1 新規求職申込は5万9091件、就職件数は2万1463件
2025年度にハローワークで新たに求職を申し込んだ身体障がい者は5万9091件で、前年度から1.9%減りました。就職件数は2万1463件で、前年度より1241件(5.5%)少なくなっています。
新規求職申込件数に対する就職件数の割合(就職率)は36.3%で、前年度の37.7%から1.4ポイント下がりました。
4.2 ハローワークでは、障がいの特性に応じた職業相談も
ハローワークには、障がいのある方の就職を支援する専門の窓口があり、障がいの特性や希望に応じた職業相談や職業紹介を行っています。手帳を持っていることで、障害者雇用枠での就職活動を選ぶこともできます。
5. まとめにかえて
身体障害者手帳の所持者は、2024年度末で467万4999人となり、5年連続で減っています。障がいの種類別では肢体不自由が48.1%で最も多く、内部障害が34.6%で続きます。
身体の障がいは、外見から分かるものだけでなく、内臓の機能の障がいのように周囲からは見えにくいものもあります。身体障害者手帳やそれに伴う各種制度は、障がいのある方の生活上の負担を軽減し、自立や社会参加を支えるための仕組みです。
東京都では、都営交通無料乗車券や医療費の助成などが用意されていますが、これはあくまで一例です。利用できる支援や条件は自治体や制度によって異なります。「自分が利用できる制度が分からない」という場合には、お住まいの自治体の窓口やホームページで確認してみてください。
参考資料
- 厚生労働省「令和6(2024)年度福祉行政報告例の概況」
- 東京都心身障害者福祉センター「身体障害者手帳について」
- 東京都交通局「都営交通無料乗車券」
- 東京都福祉局「心身障害者医療費助成制度(マル障)」
- 東京都心身障害者福祉センター「東京都重度心身障害者手当」
- 厚生労働省「令和7年度 障害者の職業紹介状況等」
村岸 理美