5. 第Ⅳ区分、「多子世帯」と「私立理工農系」で支援内容が違う

第Ⅳ区分は、多子世帯と私立理工農系学生の2つの経路がありますが、支援内容は同じではありません。

5.1 多子世帯は4分の1支給、私立理工農系学生は授業料減免のみ

JASSOは、多子世帯について、生計維持者が扶養する子の数が3人以上いる世帯としています。多子世帯に該当する場合、学部や学科を問わず、給付奨学金・授業料等減免のいずれも第Ⅰ区分(満額)の4分の1の支援を受けられます。

一方、多子世帯に該当しない場合でも、対象となる理工農系の学科等に在籍していれば、第Ⅳ区分の対象になります。ただし、この場合は給付奨学金の支給額が0円となり、授業料等減免のみ(授業料の文系との差額に着目した額)が支援対象になります。同じ第Ⅳ区分でも、子どもの人数と学部によって受けられる支援が変わる点に注意が必要です。

第Ⅳ区分、「多子世帯」か「私立理工農系」かで支援内容が違う2/2

第Ⅳ区分、「多子世帯」か「私立理工農系」かで支援内容が違う

出所:独立行政法人日本学生支援機構「令和6年度からの高等教育の修学支援新制度の中間所得層への拡大に係る対応について(第4区分)」をもとにLIMO編集部作成

6. 対象になりそうか、まず確認しておきたいこと

自分の世帯が対象になりそうか確認するときは、次の手順で見ていくと整理しやすくなります。

まず、世帯の年収がおおよそどの区分に当てはまりそうかを、目安表と照らし合わせて確認します。次に、現金・預貯金・有価証券などの資産合計が5000万円を超えていないかを確認します。最後に、本人の評定平均または学修意欲の要件を満たせそうかを確認します。

年収が目安を上回っていても、扶養する子が3人以上いる世帯や、私立の理工農系学部への進学を考えている場合は、第Ⅳ区分で対象になる可能性があります。思い込みで検討をやめる前に、進学予定の高校やJASSOの窓口で、自分の世帯の支援区分を確認してみることをおすすめします。

7. まとめ

返済不要の給付型奨学金(高等教育の修学支援新制度)の対象になるには、収入基準・資産基準・学力基準の3つをすべて満たす必要があります。

収入基準は支給額算定基準額により第Ⅰ〜Ⅳ区分に分かれ、4人世帯(片働き)の年収目安は第Ⅰ区分で271万円程度まで、第Ⅳ区分では635万円程度までとなっています。ただし第Ⅳ区分は、扶養する子が3人以上いる多子世帯か、私立の理工農系学部に在籍する学生に限られ、支援内容も異なります。

資産基準(5000万円未満)、学力基準(評定平均3.5以上、または学修意欲)もあわせて確認し、対象になりそうか早めに進学予定の高校やJASSOに相談してみることをおすすめします。

参考資料

和田 直子