歯科医師を目指す子どもの進学を考えるとき、まず確かめておきたいのが学費です。歯学部は6年制のため、4年制の学部と比べて在学中に納める総額が大きくなります。
文部科学省の調査によると、令和7年度に私立大学の歯学部へ入学した人の初年度の授業料・入学料・施設設備費は、合わせて平均416万5502円でした。私立大学全体の平均138万983円と比べると、約3倍の水準です。
ここでは東京歯科大学、日本歯科大学の生命歯学部、昭和医科大学の歯学部について、各大学が公表している2026年度入学者の学費をもとに、6年間で卒業した場合の合計を計算して比べます。
1. 【私大歯学部の学費】東京歯科大学は1年次に940万円、2年次以降は毎年450万円
1校目は東京歯科大学です。大学が公表している「2026年度入学者 学費・諸納付金」から、学費にあたる項目を年次ごとに並べます。
- 1年次:940万円
- 2年次:450万円
- 3年次:450万円
- 4年次:450万円
- 5年次:450万円
- 6年次:450万円
1年次の940万円は、入学金60万円、授業料350万円、歯学教育充実費430万円、施設維持費100万円を足した額です。授業料は前期と後期に175万円ずつ分けて納めます。
2年目以降は授業料350万円と施設維持費100万円の計450万円を毎年納めます。1年次が大きいのは、入学金と歯学教育充実費の490万円が入学した年度だけにかかるためです。
このほかに父兄会費と学生会費があり、1年次は計5万7000円、2年目以降は毎年3万7000円です。大学の公表額にはこれらが含まれ、入学年度は945万7000円、2年目以降は453万7000円と示されています。大学は学債や寄付金の募集をしないとしています。
1.1 東京歯科大学・歯学部の6年間の学費合計は3190万円
1年次の940万円に、2年次から6年次までの450万円を5年分足すと、6年間の学費は3190万円になりました。父兄会費と学生会費を含めた場合は3214万2000円です。
2. 【私大歯学部の学費】日本歯科大学・生命歯学部は1年次に573万円、2年次以降は毎年513万円
2校目は日本歯科大学の生命歯学部です。大学の「入学に必要な学生納付金(令和8年度入学者)」の表から確認します。
- 1年次:573万円
- 2年次:513万円
- 3年次:513万円
- 4年次:513万円
- 5年次:513万円
- 6年次:513万円
1年次の573万円の内訳は、入学金60万円、授業料380万円、教育充実費73万円、施設維持費60万円です。表の備考では、入学金が「入学手続時のみ」、残りの3項目が「年度ごと」と分けて書かれています。
2年次以降の額は、年度ごとに納める授業料・教育充実費・施設維持費の計513万円が毎年同じ額でかかるものとして計算しました。
学費とは別に「その他の費用」として、育英奨学基金負担金や学生会会費など1年次に計3万5000円がかかります。大学は、学債や寄付金などの募集を入学前・入学後とも行わないとしています。
2.1 日本歯科大学・生命歯学部の6年間の学費合計は3138万円
1年次の573万円と、2年次から6年次までの513万円5年分を合わせると、6年間の学費は3138万円でした。
3. 【私大歯学部の学費】昭和医科大学・歯学部は1年次から6年次まで毎年450万円
3校目は、2025年4月に昭和大学から校名を変えた昭和医科大学の歯学部です。受験生向けサイトに掲載されている令和8年度入学者の学生納付金の表を見ます。
- 1年次:450万円
- 2年次:450万円
- 3年次:450万円
- 4年次:450万円
- 5年次:450万円
- 6年次:450万円
初年度は入学金150万円と授業料300万円の計450万円で、教育・施設充実費はかかりません。2年次以降は入学金がなくなる代わりに、授業料300万円に教育・施設充実費150万円が加わり、毎年450万円です。
学生納付金とは別に、1年次は富士吉田キャンパスでの全寮制のため、寮費・食費・寝具などの寮生活費として80万円がかかります。学生会費と学生後援会費を合わせた年会費も、6年間で34万5000円と示されています。
3.1 昭和医科大学・歯学部の6年間の学費合計は2700万円
毎年450万円を6年分合計すると2700万円で、大学が示している6年間合計の額と一致しました。
4. 私大歯学部3校の6年間の学費を比較、一番高いのは東京歯科大学
ここまで確認した私大歯学部3校の学費を、年次ごとと6年間の合計で1つの表にまとめました。いずれも諸会費や寮費を除いた学費だけの金額です。
東京歯科大学・日本歯科大学・昭和医科大学の歯学部で、2026年度入学者が1年次から6年次までに納める学費1/2
出所:各大学の公表資料をもとにLIMO編集部作成
4.1 東京歯科大学・日本歯科大学・昭和医科大学の6年間の学費を高い順に並べる
6年間で卒業した場合の学費は、高い順に次のとおりです。
- 東京歯科大学・歯学部:3190万円
- 日本歯科大学・生命歯学部:3138万円
- 昭和医科大学・歯学部:2700万円
もっとも高かったのは東京歯科大学で、2位の日本歯科大学との差は52万円でした。3位の昭和医科大学とは490万円の開きがあります。
4.2 東京歯科大学と昭和医科大学の差は1年次に集中している
東京歯科大学と昭和医科大学は、2年次から6年次まではどちらも毎年450万円で同じ額です。6年間の差490万円は、そのまま1年次の差(940万円と450万円)にあたります。
一方で日本歯科大学は、1年次の額は東京歯科大学より367万円少ないものの、2年次以降は3校で最も高い毎年513万円です。年数を重ねるごとに差が縮まり、6年間の合計では東京歯科大学に近い水準になりました。
私大歯学部3校の6年間の学費は、2700万円から3190万円の範囲にありました。同じ歯学部でも、入学した年にまとめて納める大学と、毎年同じ額を納める大学があります。
志望校の学費は、各大学の受験生向けページや学生募集要項で、1年次の額だけでなく2年次以降の年額まで確かめておくと、6年分の総額を見積もりやすくなります。
「学費」といっても、授業料や入学時にかかる費用のほか、施設使用料、〇〇維持費など、関連する費用も複数あります。教科書代、PC・タブレット、通学費用/一人暮らしの費用など、学校に納める費用以外にも多くのお金がかかるため、プラスアルファで見積もって準備しておきたいものです。
