私立大学への進学を考えたとき、学費が総額でいくらかかるのか、奨学金でどこまで賄えるのか、不安に感じる方は多いのではないでしょうか。
文部科学省は2026年1月、私立大学の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査の結果を公表し、初年度納付金の平均額は150万7647円となりました。
この記事では、私立大学の初年度納付金を学部系統別に確認したうえで、奨学金を借りた場合に卒業後いくら返還することになるのかを試算していきます。
1. 私立大学の初年度納付金は平均150万7647円
まずは、私立大学の初年度納付金がどれくらいかかるのかを確認します。
1.1 文科系・理科系・医歯系で3倍以上の差がある
文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」から、学部系統別の初年度納付金を確認しましょう。
学部系統別の初年度納付金は、次のとおりです。
- 文科系学部:121万2235円
- 理科系学部:160万2053円
- 医歯系学部:477万9143円
医歯系学部は文科系学部の4倍近い水準です。※ここでの金額は、授業料・入学料・施設設備費・実験実習料等を合計したものです。
1.2 入学時にまとまった負担になる「入学料」
初年度納付金のうち、入学料は入学する年だけの負担です。ここでは私立大学全体平均の内訳を見てみましょう。
- 授業料:96万8069円
- 入学料:24万0365円
- 施設設備費:17万2550円
入学料は一度きりとはいえ、20万円を超える金額を入学前後にまとめて準備する必要があります。あくまで全体平均であり、学部系統や大学によって差があります。
2. 大学生の51.1%が何らかの奨学金を利用している
学費の負担を補う手段としてよく利用されるのが、奨学金です。日本学生支援機構「令和6年度学生生活調査」から、奨学金の利用状況を確認しましょう。
大学(昼間部)の学生のうち、日本学生支援機構やそれ以外の奨学金を何らか受給している学生の割合は51.1%でした。※これは国公立・私立を合わせた大学生全体の数字で、私立大学だけの内訳は公表資料からは確認できませんでした。
2.1 給付型奨学金(返済不要)は世帯年収の区分で金額が変わる
日本学生支援機構の給付型奨学金は、住民税の課税状況等に応じて第I区分から第III区分に分かれています。私立大学の場合の月額は、次のとおりです。
- 第I区分:自宅通学3万8300円/自宅外通学7万5800円
- 第II区分:自宅通学2万5600円/自宅外通学5万0600円
- 第III区分:自宅通学1万2800円/自宅外通学2万5300円
給付型奨学金は返済が不要です。ただし対象になる年収の目安は世帯構成によって異なるため、正確な判定は日本学生支援機構の進学資金シミュレーターや、在学校の窓口で確認することをおすすめします。
2.2 貸与型奨学金(第一種・第二種)の違いと貸与月額
貸与型奨学金には、無利子の第一種と、有利子の第二種があります。私立大学(自宅外通学)の場合、第一種の貸与月額は2万円・3万円・4万円・5万円・6万4000円から選び、第二種は2万円から12万円までの間で1万円単位の希望額を選びます。
第一種は家計基準が給付型よりやや緩やかに設定されており、第二種はより多くの学生が利用できる仕組みです。ただし貸与型は、いずれも卒業後に返還が必要になります。
教育資金については、学費の総額だけでなく、奨学金を利用した場合に卒業後どれくらいの負担になるかまで確認しておくことをおすすめしています。借りる前に、返還額の感覚をつかんでおくと安心です。
