日本銀行の利上げを受けて、身近なゆうちょ銀行の金利もふたたび動きます。

ゆうちょ銀行は2026年9月18日、通常貯金の金利を11月9日(月)から年0.400%から年0.500%に引き上げると公表しました。同じ日に日本銀行は政策金利を1.25%程度へ引き上げることを決め、9月24日から適用しています。

この記事では、通常貯金の金利がどう変わるのかと、預ける額ごとの利息の目安、銀行の普通預金の平均金利を一次資料で確認します。

1. ゆうちょ銀行の通常貯金は11月9日から年0.500%に引き上げられる

まず、ゆうちょ銀行が公表した通常貯金の金利の改定内容から確かめます。

1.1 通常貯金と通常貯蓄貯金がそろって0.100%上がる

今回の引き上げの対象は、通常貯金と通常貯蓄貯金です。どちらも変更前は年0.400%で、11月9日からは年0.500%になります。

通常貯蓄貯金は、2025年5月2日で新規の申し込み受け付けを終えています。すでに口座を持っている人は、そのまま使い続けられます。

1.2 すでに預けている分も、手続きなしで新しい金利になる

ゆうちょ銀行のよくある質問では、通常貯金と通常貯蓄貯金は日々利子を計算しており、11月9日以降は引き上げ後の金利を適用すると案内しています。

新しく預け直したり、窓口で申し込んだりする必要はありません。いま通常貯金に置いている残高にも、11月9日から年0.500%が付きます。

1.3 8月10日に続く引き上げで、日本銀行の利上げと同じ日に公表された

通常貯金の金利は、2026年8月10日に年0.300%から年0.400%へ引き上げられたばかりです。11月9日の改定は、それに続く引き上げになります。

日本銀行は9月18日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.25%程度で推移するよう促すことを決めました(賛成7反対2)。新しい方針は翌営業日の9月24日から適用されています。

2. 通常貯金の年0.500%で100万円を1年預けた利息は税引き後で約3984円

金利が0.100%上がると、受け取る利息はどれだけ変わるのでしょうか。預ける額ごとに、通常貯金の利息の目安を計算しました。

2.1 預貯金の利子には20.315%の税金がかかる

国税庁によると、預貯金の利子は受け取る際に所得税および復興特別所得税15.315%と、地方税5%が差し引かれます。これで納税が完結する源泉分離課税です。

国税庁は、令和9年分以後は防衛特別所得税が加わるものの、復興特別所得税との合計税率は変わらないと案内しています。

2.2 100万円なら税引き前5000円、年0.400%のときより約797円多い

年0.500%で100万円を1年預けると、税引き前の利息は5000円です。20.315%を差し引くと、手元に残るのは約3984円になります。

年0.400%のままなら税引き前4000円、税引き後は約3187円です。差は税引き後で約797円になります。

年0.500%になると、100万円で税引き後の利息は約3984円1/3

ゆうちょ銀行の通常貯金に10万円・50万円・100万円・300万円を1年預けたときの利息を、年0.400%と年0.500%で税引き前・税引き後に分けて並べた表

出所:ゆうちょ銀行「貯金金利の引き上げのお知らせ」、国税庁「No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)」をもとにLIMO編集部作成

【年0.400%(いま)】

  • 10万円:税引き前400円、税引き後約319円
  • 50万円:税引き前2000円、税引き後約1594円
  • 100万円:税引き前4000円、税引き後約3187円
  • 300万円:税引き前1万2000円、税引き後約9562円

【年0.500%(11月9日から)】

  • 10万円:税引き前500円、税引き後約398円
  • 50万円:税引き前2500円、税引き後約1992円
  • 100万円:税引き前5000円、税引き後約3984円
  • 300万円:税引き前1万5000円、税引き後約1万1953円

いずれも、その金利が1年間続いたと仮定した単純計算です。実際の利子は日割りで計算され、1円未満の端数の扱いなどで少し変わります。

3. 日本銀行の統計でみる普通預金の平均金利は、2026年9月に年0.322%

通常貯金の年0.500%が、銀行の普通預金と比べてどのくらいの水準なのかも見ておきます。

3.1 2024年1月の年0.001%から、段階的に上がってきた

日本銀行の「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等」によると、普通預金の平均年利率は2024年1月に0.001%でした。その後、2024年9月に0.091%、2025年3月に0.162%、2026年2月に0.239%と上がっています。

2026年8月は0.306%、9月は0.322%でした。

普通預金の平均年利率は、2年余りで年0.001%から年0.322%へ2/3

2024年1月から2026年9月までの普通預金の平均年利率の推移を折れ線で示し、ゆうちょ銀行の通常貯金の年0.400%と年0.500%を点線で重ねたグラフ

出所:日本銀行「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等」、ゆうちょ銀行「貯金金利の引き上げのお知らせ」をもとにLIMO編集部作成

3.2 9月の0.322%は、9月24日の利上げ前の数値

この統計は、毎月15日(15日が休日の場合は翌営業日)時点の店頭表示金利を単純平均したものです。調査の対象は、日本銀行の取引先のうち国内銀行(整理回収機構等を除く)、信用金庫、商工組合中央金庫です。

2026年9月の0.322%は、日本銀行の新しい方針が適用された9月24日より前の数値です。利上げを受けて各金融機関が金利を見直せば、10月以降の平均も動く可能性があります。

ゆうちょ銀行の通常貯金は、いまの年0.400%でも普通預金の平均を上回る水準にあります。11月9日からは、その差がさらに開きます。

自分の口座にいまいくら残っているかを通帳やアプリで確かめ、上の表の金額に当てはめると、11月9日以降に増える利息の目安がつかめます。

ここからは、定額貯金・定期貯金の金利と、通常貯金の利子がつく仕組みを確認したうえで、元銀行員の立場からお金の置き場所の分け方を考えます。

和田 直子

金利が上がると定期性の商品に移したくなりますが、先に「生活費の何か月分をすぐ引き出せる口座に残すか」を決めておくと迷いません。通常貯金は11月9日から手続きなしで新しい金利になるので、慌てて動かす必要はありません。