2. 発行から1年たてば換金できる、個人向け国債の中途換金ルール

個人向け国債は満期まで持つことを前提にした商品ですが、途中でお金が必要になったときは、国に買い取ってもらう形で換金できます。これを中途換金といいます。

ただし、発行から1年間は原則として中途換金ができません。9月募集分は発行日が2026年10月15日なので、換金できるのは2027年10月以降になります。

1年を過ぎれば、額面1万円単位で、いつでも換金を申し込めます。戻ってくるのは額面どおりの金額ですが、そこから「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」が差し引かれます。

0.79685は、利子にかかる20.315%の税金を除いた割合です。差し引かれる額は、直前2回分の利子を税引後で受け取った額と同じ水準になります。

9月募集分の固定5年を100万円分買った場合で考えてみます。1回あたりの利子(税引前)は、100万円×2.24%÷2で1万1200円です。

2回分では2万2400円になり、これに0.79685を掛けると、差し引かれる額は約1万7849円です(編集部の試算)。早い時期に換金するほど、それまでに受け取った利子に対して、差し引かれる額の割合は大きくなります。

なお、災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害で被害を受けた場合や、保有者本人が亡くなった場合は、発行から1年たっていなくても中途換金ができます。

換金するときの価格は額面100円につき100円で、市場の金利が動いても変わりません。それでも換金すれば差し引かれる額があるので、途中で使う可能性のあるお金なら、使う時期に合った満期のタイプを選んでおくことが大切です。

3. まとめ

2026年9月募集分の個人向け国債の利率は、変動10年が1.95%、固定5年が2.24%、固定3年が1.96%でした。3タイプのうちもっとも高かったのは固定5年の2.24%で、9月募集分の受付は本日の9月30日で終了します。

次回の10月募集分は10月8日から受付が始まる予定ですが、利率は募集月によって変わります。これから購入を検討する場合は、最新の利率を確認したうえで比較することが大切です。

国が発行し、1万円から買えて最低金利も設けられている個人向け国債を、お金の置き場所の候補に入れる人もいるでしょう。

ただ、予定していた利子をきちんと受け取るには、満期まで持ち続けることが前提になります。途中で換金すると、直前2回分の利子に相当する額が差し引かれます。

選べるのは「変動10年・固定5年・固定3年」の3タイプです。今後購入する場合も、利率の高さだけで判断するのではなく、満期まで換金せずに置いておけるお金かどうかを考え、自分に合ったタイプを検討しましょう。

【免責事項】

  • 本記事は、情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
  • 中途換金で差し引かれる額は編集部の試算で、実際の金額とは異なる場合があります。

参考資料

村岸 理美