4. 投資する前に知っておきたい注意点
手軽に売買できる一方で、円高フォーカスETFには理解しておくべき注意点もいくつかあります。
4.1 NISAの対象にはならない
円高フォーカスETFは東証に上場していますが、NISA(少額投資非課税制度)の対象にはなっていません。
成長投資枠・つみたて投資枠のいずれでも購入できないため、保有する場合は特定口座または一般口座での取引になります。
4.2 円安・ドル高が進むと値下がりする
仕組み上、円高で値上がりする反面、円安・ドル高が進行した場合はETFの価格が下落し、マイナスのリターンが生じやすくなります。
想定と逆に円安が進んだ場合は、損失が発生する可能性がある点に注意が必要です。
4.3 ヘッジコストが発生する
ドル建て金利が日本円の金利より高い状況では、為替予約レートが直物為替レートよりも円高方向に設定され、その分だけリターンが押し下げられる「ヘッジコスト」が発生します。
日米の金利差が拡大するほど、この押し下げ効果も大きくなる点をおさえておく必要があります。
4.4 「超長期の放ったらかし」には向かない
オルカンやS&P500のように、数十年単位で保有し続けて複利で増やすタイプの銘柄ではありません。
為替や金利の水準を見ながら、機動的に売買や保有割合を調整する運用に向いた商品です。
投資する前に知っておきたい注意点3/3
出所:ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ 円高フォーカスETF」目論見書をもとにLIMO編集部作成
ただし、目論見書には当ファンドがNISAの対象ではない旨が明記されており、特定口座や一般口座での保有が必要になります。
NISA口座で保有している米国株や投資信託そのものを売る必要はなく、あくまで別枠でこのETFを追加購入する形になる点は押さえておきましょう。
為替の動きを積極的に取り込むことを前提にした商品のため、ポートフォリオの主役ではなく、円高局面に備える「保険」のような位置づけで、資産のごく一部に組み込むのが無理のない使い方だと考えます。
5. まとめ:どんな人に向いている商品か
iシェアーズ 円高フォーカスETF(488A)は、米国株や外貨建て投資信託を多く保有している人にとって、円高局面のショックを和らげる選択肢のひとつになり得る商品です。
FXなどの複雑な取引を使わずに、東証で手軽に円高対策ができる点は大きなメリットといえます。
一方で、NISAの対象にはならないこと、円安が進めば値下がりすること、ヘッジコストが発生すること、超長期の保有には向かないことは、購入前に押さえておく必要があります。
資産の全額を投じる「メイン資産」としてではなく、ポートフォリオのリスクを調整する数%程度の「トッピング」として活用するのが、この商品との無理のない付き合い方といえるでしょう。
参考資料
和田 直子
