2026年9月29日、国税庁から令和7年分の民間給与実態統計調査結果が発表されました。この最新データによると、日本の民間企業で働く給与所得者の平均給与は487万円となり、前年からの堅調な増加傾向が確認できます。

一方で、2026年9月4日に博報堂の「博報堂富裕層マーケティングラボ(HAML)」が発表した「新富裕層調査2026」では、世帯年収3000万円以上の層にみられる特徴的な消費行動が明らかになりました。

筆者自身ファイナンシャルプランナーとして、これまで多くの家計相談に携わってきましたが、収入の多寡にかかわらず、上手にお金を使えている人とそうでない人の最大の違いは「お金の使い方への意識」にあると感じています。目的なくお金を使っていると、いくら収入があっても不安は消えません。

今回は、最新の日本の給与事情と若年富裕層のお金の使い方を紐解きながら、私たちが日々の家計に活かせる考え方をFPの視点で詳しく解説します。

1. 日本の民間給与における最新動向と平均給与「487万円」の実態

2026年9月29日に国税庁から発表された統計調査結果によると、1年を通じて勤務した日本の民間企業における給与所得者数(給与を受け取っている人の数)は5163万人に達しています。これらの給与所得者に支給された平均給与は487万円(対前年比1.9パーセント増)となっており、日本全体で見ると給与は少しずつですが着実に増加している傾向がうかがえます。

平均給与及び対前年伸び率の推移1/5

平均給与及び対前年伸び率の推移

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査 」

平均給与の内訳をさらに詳細にみてみましょう。毎月の基本給や諸手当で構成される「平均給料・手当」が412万円(対前年比2.2パーセント増)であるのに対し、決算手当やボーナスにあたる「平均賞与」は75万円(対前年比0.4パーセント増)となっています。給与支給総額に占める賞与の割合は18.2パーセントであり、日本の民間企業では年間給与の約2割弱を賞与が占める給与体系が維持されています。ボーナスに依存しすぎず、毎月の基本給をベースにした家計管理が重要であることがこのデータからもわかります。

2. 平均給与は男女で「255万円の差」給与格差の背景にある3つの要因

平均給与の推移を男女別に比較すると、依然として顕著な開きが存在していることがわかります。男性の平均給与が597万円(給料・手当501万円、賞与96万円)であるのに対し、女性の平均給与は342万円(給料・手当295万円、賞与47万円)にとどまっています。男女の給与差は255万円に達しており、女性の平均給与額は男性の約57.3パーセントの水準にとどまるのが現状です。

平均給料・手当及び平均賞与2/5

平均給料・手当及び平均賞与

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査 」

このような男女間の給与格差が生じている背景には、主に以下の3つの構造的要因が影響しています。

2.1 働き方の違い(非正規雇用比率の偏り)

雇用形態別の平均給与は、正社員で559万円であるのに対し、パートやアルバイトなどの正社員以外では210万円と大きな差があります。女性の給与所得者のうち約38.9パーセントが正社員以外として働いている一方、男性は約14.9パーセントにとどまります。女性の場合、出産・育児・介護といったライフステージの変化に伴い、時間的な融通が利きやすい非正規雇用を選択せざるを得ないケースが多く、これが全体の平均額を押し下げる大きな要因となっています。

2.2 給与階級別分布における層の違い

年間給与の分布状況においても、男女で大きな乖離がみられます。男性は「400万円超から500万円以下」の層を中心として中高所得層へと幅広く分布しています。一方、女性は「200万円超から300万円以下」の層が最も多く、全体の約37.2パーセントが年間給与300万円以下の階層に集中しています。

2.3 年齢および勤続年数に伴う給与の伸び幅の違い

年齢や勤続年数の経過に伴う給与の伸び幅にも違いがあります。男性は勤続年数に応じて給与が順調に上昇し、30年から34年でピーク(838万円)を迎えます。対して女性は、年齢階層による給与の差が比較的小さく、各年齢層において300万円から400万円台で推移する傾向があります。