3. 10月分から月いくら増える?4つの世帯で試算
10月分の生活扶助には、冬季加算のほかに特例加算の引き上げも反映されています。2つの変更を合わせて、世帯ごとの増え方を計算しました。
3.1 特例加算が1人月1500円から2500円へ
冬季加算とは別に、2026年10月から1年間、生活扶助の特例加算が1人月1500円から2500円に上がりました。社会経済情勢を踏まえた臨時的な措置で、世帯では人数分だけ増えます。入院中の人や介護施設に入所している人は、月1000円のまま据え置かれます。
引き上げ後の額が適用されるのは2027年9月分までです。2027年度以降の基準は、国の予算編成の過程で改めて検討されます。
3.2 Ⅰ区・Ⅱ区の世帯は1万円以上の増額
ここで示す金額は、生活扶助の第1類・第2類と特例加算の合計に、冬季加算を足したものです。母子加算などの加算や住宅扶助は含みません。
Ⅰ区の青森市(2級地-1)で暮らす65歳単身の生活扶助基準額は、9月分まで月7万2490円です。10月分からは特例加算の引き上げで7万3490円になり、冬季加算1万2780円が加わります。合計は8万6270円で、9月分より1万3780円増えます。
同じⅠ区の秋田市(2級地-1)で、30代の親と小学生の母子世帯を考えます。9月分の11万6610円が11万8610円に上がり、冬季加算1万8140円を足すと13万6750円です。増額は2万140円になります。実際には、この額に母子加算と児童養育加算が加わります。
Ⅱ区の新潟市(2級地-1)で暮らす65歳夫婦は、11万6230円が11万8230円に上がります。冬季加算1万2820円を加えると13万1050円で、1万4820円の増額です。
3.3 東京23区の65歳単身は10月分が据え置き
東京23区(1級地-1)の65歳単身は、10月分以降も月7万6880円のままです。改定前の基準額を下回らないよう保障された額が、引き上げ後の計算額を上回っているためです。冬季加算2630円が加わるのは11月分からで、その月から7万9510円になります。
実際に受け取る保護費は、生活扶助や住宅扶助、加算などを合わせた最低生活費から、年金などの収入を差し引いた額です。収入が変わらなければ、基準額の増えた分だけ保護費も増えます。
Ⅰ区・Ⅱ区の3世帯は10月分が1万3780円から2万140円増え、東京23区の65歳単身は据え置き3/3
出所:厚生労働省 第55回社会保障審議会生活保護基準部会 資料4「令和8年度生活扶助基準の見直しについて」、厚生労働省「生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)」をもとにLIMO編集部作成
4. 10月分は冬季加算と特例加算で増える世帯が多いが、据え置きの世帯もある
2026年10月は、Ⅰ区・Ⅱ区の6道県で冬季加算が始まり、全国で特例加算も1人月2500円に上がりました。ただし、東京23区の単身高齢者のように、10月分の生活扶助が変わらない世帯もあります。
実際の支給額は、世帯の年齢構成や収入、加算の有無によって一人ひとり異なります。10月分の保護決定通知書では、生活扶助と冬季加算の欄を9月分と見比べてください。
参考資料
- 厚生労働省「生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)」別表第1第1章(冬季加算額)
- 厚生労働省「生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)」別表第1第1章・第2章(地区区分、特例加算、加算)
- 厚生労働省「生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)」別表第2〜第8
- 厚生労働省「生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)」別表第9(地域の級地区分)
- 厚生労働省「生活保護制度」
- 厚生労働省「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和8年10月)」
- 厚生労働省 第55回社会保障審議会生活保護基準部会 資料4「令和8年度生活扶助基準の見直しについて」
苛原 寛