2026年10月から、生活保護の保護費が変わりました。北海道や青森県など6道県で冬季加算が始まり、全国で特例加算も引き上げられたためです。

冬季加算は暖房費がかさむ時期の上乗せで、多くの都府県では11月分からとなっています。10月分から支給されるのは、寒さの厳しい一部の地域に限られます。

本記事では、10月から冬季加算が始まる地域と金額を確認します。あわせて生活保護の8種類の扶助を整理し、世帯モデルごとに10月から月いくら増えるかを試算します。

1. 10月から冬季加算が始まるのは北海道・東北4県・新潟の6道県

冬季加算が始まる月と金額は、住んでいる都道府県によって決まっています。まず、支給期間の違いから見ていきます。

1.1 Ⅰ区・Ⅱ区は10月から、それ以外は11月から

冬季加算は、全国の都道府県をⅠ区からⅥ区に分け、区分ごとに支給期間と月額を定めています。Ⅰ区は北海道・青森県・秋田県、Ⅱ区は岩手県・山形県・新潟県です。この6道県だけが、10月から翌年4月までの7か月間支給されます。

宮城県や長野県などのⅢ区・Ⅳ区は、11月から翌年4月までの6か月間です。東京都や大阪府を含むⅤ区・Ⅵ区は、11月から翌年3月までの5か月間となります。

1.2 1人世帯の月額はⅠ区1万2780円、Ⅱ区9030円

冬季加算の月額は地区区分と世帯人員で決まり、級地(物価などに応じた地域の区分)では変わりません。Ⅰ区とⅡ区の月額は次のとおりです。

  • 1人世帯:Ⅰ区1万2780円、Ⅱ区9030円
  • 2人世帯:Ⅰ区1万8140円、Ⅱ区1万2820円
  • 3人世帯:Ⅰ区2万620円、Ⅱ区1万4570円
  • 4人世帯:Ⅰ区2万2270円、Ⅱ区1万5740円

Ⅰ区の1人世帯なら、7か月分の合計は8万9460円です。Ⅵ区の1人世帯は月2630円で、5か月分でも1万3150円にとどまります。救護施設などに入所している人や入院中の人には、別の額が適用されます。

1人世帯の冬季加算は、10月から支給が始まるⅠ区が月1万2780円、11月からのⅥ区が月2630円1/3

生活保護の冬季加算について、Ⅰ区からⅥ区までの1人世帯の月額と支給期間を比べた横棒グラフ

出所:厚生労働省「生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)」をもとにLIMO編集部作成

2. 生活保護の8種類の扶助は何がいくら支給される?

冬季加算は生活保護の扶助のひとつに上乗せされるものです。ここで、扶助の全体像と主な基準額を整理します。

2.1 毎月支給される生活扶助・住宅扶助・教育扶助

生活保護の扶助は、生活・住宅・教育・医療・介護・出産・生業・葬祭の8種類です。世帯の状況に応じて、必要なものを組み合わせて支給されます。

中心となる生活扶助は、食費や被服費などの個人ごとの費用と、光熱費などの世帯共通の費用を合わせたものです。冬季加算はこの生活扶助に上乗せされます。

ひとり親世帯には母子加算があり、2級地で児童1人なら月1万7400円です。18歳になった後の最初の3月末までの子どもを育てる世帯には、児童養育加算として子ども1人につき月1万190円が加わります。

住宅扶助は、家賃を上限額の範囲内で実費支給する仕組みです。東京都の単身世帯の上限は、1級地で月5万3700円、2級地で4万5000円、3級地で4万900円です。

教育扶助は義務教育の費用で、基準額は小学生が月3400円、中学生が月5300円です。給食費や教材代、通学の交通費は別に実費が出ます。クラブ活動などの費用は学習支援費として、年間で小学生1万6400円以内、中学生5万9800円以内の範囲で実費が支給されます。

2.2 医療扶助と介護扶助は現物給付

医療扶助と介護扶助は、お金ではなくサービスそのもので支給されます。費用は医療機関や介護事業者へ直接支払われ、本人の負担はありません。

2.3 出産・生業・葬祭は必要になったときに支給

残る3つは、対象の出来事が起きたときに支給されます。出産扶助の基準額は33万6000円以内です。病院や助産所で分娩する場合は、8日以内の入院費が加わります。脱脂綿などの衛生材料費も、6300円の範囲内で上乗せされます。

生業扶助は仕事に就くための費用です。技能修得費は9万2000円以内、就職支度費は3万5000円以内となっています。高校生の就学費も生業扶助に含まれ、基本額は月7300円です。

葬祭扶助は、1級地と2級地で大人22万2000円以内、子どもは17万7600円以内です。3級地では大人19万4300円以内、子どもは15万5400円以内となります。

医療扶助と介護扶助は本人負担なしの現物給付で、出産・生業・葬祭は上限の範囲内で支給される2/3

生活保護の8種類の扶助ごとに、主な基準額や支給のしかたをまとめた図

出所:厚生労働省「生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)」、厚生労働省「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和8年10月)」をもとにLIMO編集部作成