大学受験を控えるお子さんがいるご家庭では、学費がいくらかかるのか気になるところです。
大学パワーランキング(ポップコーン株式会社)が2026年9月19日に自社サイトで公開し、同月27日にはPR TIMES経由でも発表した最新調査によると、有名私立大学29校の4年間の学費には最大で約230万円もの差があることが分かりました。
学部や大学によって学費の差は想像以上に大きく、入学案内だけでは全体像をつかみにくいのが実情です。
本記事では、学費が安い大学から高い大学まで、具体的な金額とあわせて注意しておきたいポイントを確認します。
1. そもそも私立大学の学費はどれくらいかかるのか
文部科学省の「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」(2025年12月公表)によると、私立大学の平均初年度納付金は150万7647円で、前回調査から2.1%増加しています。
主な内訳は授業料が96万8069円、入学料が24万365円、施設設備費が17万2550円で、これに実験実習料などを加えた合計が150万7647円です。
この金額は1年分であり、4年間となるとさらに大きな負担になる点は覚えておきましょう。
2. 学費が安い私立大学トップ10はどこか
そこで注目したいのが、正式名称「学費が安い有名私立大学ランキング【2026年度最新版】」の内容です。
早慶上理ICU・GMARCH・成成明学獨國武・日東駒専・関関同立・産近甲龍の計29校を対象に、各大学の法学部(法学部がない場合は最も安い文系学部)を基準として、入学金・授業料・施設設備費等を合わせた4年間の学費総額を比較しています。
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最も学費が安かったのは日本大学で、以下の10校が上位に並びました。
- 1位 日本大学 426万円
- 2位 東洋大学 429万円
- 3位 専修大学 434万2000円
- 4位 駒澤大学 438万8000円
- 5位 國學院大學 444万円
- 6位 法政大学 447万6000円(GMARCHで最安)
- 7位 龍谷大学 448万4000円
- 8位 京都産業大学 448万9000円
- 9位 甲南大学 451万9000円
- 10位 関西大学 461万円(関関同立で最安)
上位10校は日東駒専・成成明学獨國武・産近甲龍・関関同立の各グループとGMARCHの一部が占め、早慶上理ICUの大学は11位以降に位置しています。
2.1 早慶上理やGMARCHの学費はいくらになるのか
早慶上理ICUの中で最も学費が安いのは東京理科大学(経営学部)で463万6000円、12位でした。
GMARCHでは法政大学が6位に入った一方、中央大学478万4000円、学習院大学480万円、立教大学488万4000円、明治大学489万4000円、青山学院大学493万2000円と続きます。
早稲田大学は496万700円、上智大学は502万4000円、慶應義塾大学は540万円で、最も高かったのは国際基督教大学の655万5000円でした。
たとえば日本大学(426万円)と国際基督教大学(655万5000円)を比べると、その差は229万5000円で、四捨五入すれば約230万円になります。
学費の金額だけで大学を選ぶのは、少し早計かもしれません。
今回のランキングは法学部を基準にした比較ですが、理系学部や医療系学部では実験費や実習費がかかるため、同じ大学でも学部によって総額は大きく変わるでしょう。
自宅から通えるかどうかも見逃せないポイントで、一人暮らしとなれば家賃や生活費が大学生活の費用に上乗せされ、総負担額はさらに膨らみます。
パンフレットや説明会では初年度の金額が目立つ形で案内されることも多いため、4年間を通した総額で比較する意識を持っておくと安心です。
進学先を検討する際は、学費の一覧表だけで判断せず、通学方法や奨学金の利用可能性まで含めて、家庭ごとの総支払額をシミュレーションしておきましょう。
3. ランキングを見る際に押さえておきたい注意点が3つあります
今回のランキングを参考にする際は、次の3点を確認しておいてください。
1つ目は、比較の基準が法学部(法学部がない大学は最も安い文系学部)である点です。理系学部や医療・薬学系学部は実験・実習にかかる費用が上乗せされるため、同じ大学でも学費はランキングより高くなる場合がほとんどでしょう。
2つ目は、2年次以降の学費が公式サイトで未公表の大学については、初年度の金額をもとにした概算で算出されている点です。実際の学費改定によって、卒業までの総額がランキングの数字と異なる可能性があります。
3つ目は、今回の集計に含まれていない費用があることです。同窓会費や父母会費、学生保険料などの委託徴収金は対象外とされているほか、自宅外から通学する場合の家賃や生活費も学費には含まれていません。公表されている学費の数字だけでは、実際に大学生活にかかる総費用を把握しきれない点は見落とされがちです。
4. 学費の負担を軽くする公的な支援制度も知っておきたいところです
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出所:文部科学省「高等教育の修学支援新制度」、文部科学省「多子世帯の授業料等減免に関する資料」(PDF)をもとにLIMO編集部作成
文部科学省は、私立大学の授業料等減免と給付型奨学金をセットにした「高等教育の修学支援新制度」を実施しています。
同制度では、令和6年度から世帯年収約600万円までの世帯が対象に含まれるようになったほか、令和7年度からは子供を3人以上扶養する多子世帯について、所得制限を設けずに支援を受けられる仕組みが始まりました。
私立大学に通う場合、多子世帯への支援は年間の授業料減免が70万円、入学金減免は26万円を上限としており、入学金は初年度のみのため、4年間では合計306万円が上限の目安になります。
対象となるのは同時に3人以上の子どもを扶養する世帯で、新たに入学する場合は高校在学中の「予約採用」か進学後の「在学採用」のいずれかを、すでに在学している場合は「在学採用」を選んで申し込んでおきましょう。なお、第1子が就職などで扶養から外れると、多子世帯としての支援は終了する点にも留意が必要です。
このほか、日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金など、世帯の所得水準に応じて利用できる制度もあります。
5. まとめにかえて|学費の総額と支援制度の両方を確認しておきましょう
今回確認した学費ランキングは、あくまで法学部を基準にした一つの目安にすぎません。
実際に進学先を検討する際は、志望する学部の学費を大学の公式サイトで確認したうえで、自宅通学か一人暮らしかによる生活費の違い、奨学金や授業料減免制度の利用可能性まで含めて、総費用を試算しておくと安心です。
学費の総額だけでなく、利用できる支援制度もあわせて確認しておくことが、後悔のない進学準備につながるでしょう。
進学先選びは、お子さん本人の希望と家計の両方を考え合わせる、家族にとって大きな決断です。
学費の一覧を見ると数字の大きさに圧倒されてしまいますが、奨学金や授業料減免など、知っているかどうかで負担が変わる制度も少なくありません。
今回ご紹介した支援制度以外にも、大学独自の特待生制度や地方自治体の奨学金など、選択肢は意外と広がっています。
制度によっては高校在学中の申し込みが必要なものもあるため、早めに情報を集めておくと選択肢が広がるでしょう。学校の先生や自治体の窓口に相談してみるのも一つの方法です。
まずは志望校の学費と、利用できそうな制度を一緒に調べてみることから始めてみましょう。きっと納得のいく進学準備につながるはずです。
参考資料
- 大学パワーランキング「学費が安い有名私立大学ランキング【2026年度最新版】」(ポップコーン株式会社)
- ポップコーン株式会社プレスリリース(PR TIMES、2026年9月27日)
- 文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
- 文部科学省「多子世帯の授業料等減免に関する資料」(PDF)
- 日本学生支援機構(JASSO)「給付奨学金(返済不要)」
池上 翠
