「名もなき業務」は管理職だけでなく、新人社員や若手社員にも多くのしかかってきます。
社内の歓迎会や送別会、さらに社内の親和イベントなどはその代表例でしょう。
業務時間外で準備をしたり、出し物の練習をするなど、仕事以外にもさまざまな準備が必要となります。
そのようなイベント準備は「業務」とは認められておらず、業務時間にイベント準備を行うと「そういうことを業務時間にしないで」と苦言を言われることも多々…。
本業の業務量がまったく変わらない中、イベントの準備もプラスで行うという、「名もなき業務」に苦しめられた伝統は先輩から後輩へと受け継がれていくのです。
満員電車や飲み会も「名もなき業務」
断れない先輩社員の誘いに付き合わないと、仕事に支障が出る…。
そう思って参加する飲み会やゴルフはもはや業務です。
他にも満員電車に乗ったり、災害を見越して出張先に前日入りをしたり「名もなき業務」は様々な場面で人々の時間や体力を奪っています。
まだまだ様々な例があるのではないでしょうか。
各社独自の「名もなき業務」があり、その業務のせいで残業をしたり、休日まで仕事をしなければならなかったりと、会社員はいつでも仕事のストレスを抱えながら生きている人が多いのです。
夫婦で何が大変なのか情報共有すべき
「名もなき家事」という言葉はかなり一般的になり、これまでも「男性の家事・育児参加」というテーマで多く取り上げられてきました。
しかし、男性は会社内で「名もなき業務」を依頼されやすかったり、責任ある立場につくとさらに「名もなき業務」が増えてしまうことも。
「名もなき業務」に疲れ果てた男性は、自宅では「名もなき家事」に疲れ果てた女性に厳しい視線を向けられるという構図が、だんだん見えてきます。
また現在、正社員として責任ある役職に就いたり、家庭と仕事を両立させている女性が増えているため、女性の中にも「名もなき業務」に疲れている人が多いのではないでしょうか。
大切なのは夫婦の置かれている現状に理解を示して、支え合うことです。
「家事の分担を平等にする」というのは解決の選択肢のひとつでしかなく、それだけが答えではありません。
夫婦2人で話し合って、お互いの今の生活で何が大変で何をしてほしいのかを情報共有し、生活を共にするチームメイトとしてうまく連携して生きていくことが大切です。
まずは自分が何に苦しめられ、ストレスを感じているのかを言葉にし、相手の状況を知り、パートナーをどう支えられるのかを2人で考えてみてくださいね。
柳沢 裕也