9月28日は、9月末に権利が確定する銘柄の権利付き最終日でした。

権利取りの動きが一服し、個人投資家のなかには、すでに次の投資テーマを求めて情報収集を始めている方も多いのではないでしょうか。

足元は決算発表の集中期から外れているものの、7月期決算の企業が通期決算を発表するなど、9月に決算を発表した企業もあります。

焼鳥チェーン「鳥貴族」を展開するエターナルホスピタリティグループ<3193>も、そうした企業の一つです。

9月は中間配当や株主優待の権利確定が集中するため、こうした決算の情報は埋もれがちです。

そこで改めて、同社が9月11日に発表した2026年7月期決算を振り返り、稼ぎ頭の事業をひも解いていきましょう。

1. エターナルホスピタリティGの2026年7月期決算は増収・営業減益に

エターナルホスピタリティグループが9月11日に発表した2026年7月期(2025年8月〜2026年7月)の連結決算は、以下の通りです。

  • 売上高:512億5,400万円(前期比10.6%増)
  • 営業利益:27億9,700万円(同10.4%減)
  • 経常利益:28億円(同9.8%減)
  • 純利益:13億1,800万円(同23.4%減)

同社が3月13日に公表していた通期予想(売上高528億100万円、営業利益34億3,000万円)には、売上高・利益ともに届きませんでした。

同社によると、国内「鳥貴族」の既存店売上高は堅調だった一方、国内外の新規出店が計画を下回りました。

利益面では、費用が一時的にかさむ新規出店が第4四半期に集中したことや、人件費などの販管費が膨らんだことが響いています。海外の直営店でも先行赤字が計画より拡大しました。

純利益の減少幅が大きいのは、国内の一部店舗と、閉店を決めた中国(上海)の鳥貴族直営店4店舗について、減損損失3億9,100万円を特別損失に計上したためです。

2. 稼ぎ頭は国内の直営店、売上高の9割超を占める

同社の事業は飲食事業の単一セグメントとなっています。そこで、決算短信の「収益の分解情報」から、どこで売上を上げているかを見ていきましょう。

2.1 区分ごとの売上高(2025年7月期→2026年7月期)

  • 直営店・東日本:270億7,000万円→295億5,200万円(前期比9.2%増)
  • 直営店・西日本:171億300万円→185億8,700万円(同8.7%増)
  • 直営店・海外:5億9,700万円→12億3,800万円(約2.1倍)
  • その他:14億6,600万円→17億5,100万円(同19.4%増)

※決算短信の千円単位の数値をもとに、万円未満を切り捨てて記載。2026年7月期から区分が「西日本」「東日本」「海外」に変わっており、2025年7月期も変更後の区分で記載されています。

東日本と西日本の直営店をあわせると481億3,900万円で、売上高全体の約94%にあたります。国内の直営店は大半が「鳥貴族」です(2026年7月末時点で国内直営店426店舗のうち、鳥貴族が424店舗)。

ただし、店舗数で見ると直営店の比率はそこまで高くありません。国内の「鳥貴族」695店舗のうち直営店は424店舗(約61%)で、残りの271店舗はTCC店です。FC店の「やきとり大吉」463店舗も含めた国内全体では、1,163店舗のうち直営店は426店舗(約37%)です。それでも、連結売上高に占める直営店の比率は9割を超えています。

海外の売上高は2倍以上に増えましたが、全体に占める割合はまだ小さい水準です。決算説明資料の売上高の増減分析でも、前期からの増収額48億9,700万円のうち、41億7,000万円を日本が占めています。

3. 「鳥貴族」の強みは客数の伸び、既存店売上高は106.7%

稼ぎ頭の国内「鳥貴族」で目を引くのは、既存店が客数を伸ばしていることです。直営店の既存店売上高は前期比106.7%で、当初計画の103.8%を上回りました。内訳は客数が103.8%、客単価が102.8%です。2025年5月の価格改定で客単価が上がっただけでなく、来店客も増えて売上高が伸びています。

同社は既存店売上高を「客数」から伸ばす方針を掲げています。2025年8月からは「うぬぼれ続けて創業40周年 ありがとうフェア」を2カ月ごとに計6弾実施し、プロテインやカプセルトイ、タイトーくじとのコラボで店舗外にも接点を広げました。公式アプリの累計登録者数は275万人に達しています。

ただし、月次で見ると勢いには波がありました。5月以降は前年の価格改定効果が一巡し、5月・6月は前年の大型コラボの反動で客数が伸び悩みました。6月の既存店売上高は96.9%と前年を下回りましたが、7月は102.3%とプラスに戻っています。

店舗数では、国内の「鳥貴族」が2026年7月末時点で695店舗(直営店424店舗、TCC店271店舗)となり、1年で34店舗増えました。福島県・大分県にも初めて出店しています。

利益面では、国内は増収だったものの、人件費など店舗運営経費の増加により営業利益は前期より2億1,400万円減りました。一方、海外はいずれの地域も先行赤字が続いており、上海では赤字が2億2,000万円拡大しています。売上高だけでなく利益面でも、国内の「鳥貴族」が同社を支えていることがわかります。

3.1 国内「鳥貴族」が支える業績、海外は立て直しの段階

2026年7月期は10.6%の増収でしたが、出店費用や人件費の増加、海外の先行赤字で営業減益となり、期初予想にも届きませんでした。稼ぎ頭は売上高の9割超を占める国内の直営店で、「鳥貴族」は客数と客単価の両方を伸ばしています。

一方、海外は売上高が倍増したものの利益面ではまだ赤字で、上海の直営店4店舗は閉店を決めました。中期経営計画の最終年度となる2027年7月期の営業利益目標も、60億円から30億円へ半減しています。