5. 短時間労働者として厚生年金に加入する前に、確認しておきたい注意点は主に2つあります

1つ目は、加入によって手取り収入が一時的に減る可能性があることです。厚生年金保険料に加えて、勤務先や条件によっては健康保険料の負担も新たに生じる場合があり、年収の見込みが変わることがあります。

2つ目は、加入期間が短いと将来受け取る年金の増加額が数千円程度にとどまるケースがある点です。厚生年金は加入期間や納めた保険料に応じて金額が決まる仕組みのため、短期間の加入だけでは大きな増額を期待しにくいという面があります。

「加入すればすぐに年金が大きく増える」とは限らない点は見落とされがちです。

6. 国民年金の第1号被保険者では、保険料の免除・猶予者はどれくらいいるのか

第3号被保険者の減少と並行して、自営業者や学生などが加入する国民年金第1号被保険者の状況にも変化が見られます。同資料によると、第1号被保険者数は2024年度末時点で1368万人となり、前年度から1.4%減少しました。

6.1 性別ごとの内訳を見るとどうなるのか

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国民年金第1号被保険者数の男女別内訳と保険料の免除・猶予者数
出所:厚生労働省年金局「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
  • 男子:723万人
  • 女子:645万人

このうち、保険料の全額または一部が免除・猶予されている人は592万人で、第1号被保険者全体の44.0%を占めています。所得の少なさや失業などの事情で納付が難しい人が、第1号被保険者のおよそ4割にのぼるというのが実態です。

7. まとめにかえて|働き方が変わるときは年金の立ち位置も一緒に確認を

第3号被保険者数が4年で152万人減る一方、短時間労働者として厚生年金に加入する人は111万人まで増えました。

働き方の変化にともなって、自分がどの制度区分に属しているかは静かに切り替わっていきます。年収の見込みや勤務先の企業規模が変わるタイミングでは、扶養の範囲にとどまるのか、厚生年金に加入する働き方を選ぶのか、一度立ち止まって確認しておくと安心です。

最新の加入要件や手続きは、日本年金機構や厚生労働省の公式サイトで確認しましょう。

熊谷 良子

年金制度は、知っているかどうかで将来の受け取り方が大きく変わる場面が少なくありません。第3号被保険者から外れることを気に病むよりも、自分の年金記録がどのように積み上がっていくのかを一度確かめてみてはいかがでしょうか。

ねんきん定期便やねんきんネットを使えば、これまでの加入実績や将来の見込み額をいつでも無料で確認できます。働き方が変わるタイミングこそ、家計と年金設計をあわせて見直す好機と言えるでしょう。

第3号被保険者から短時間労働者へという流れは、今後も続いていくとみられます。だからこそ、制度の変化を待つだけでなく、自分の加入区分や見込み額を定期的に確かめる習慣を持っておきたいものです。

損得勘定だけでなく、自分の年金をどう育てていくかという視点で捉え直すと、これからの働き方の選択肢もきっと広がっていくでしょう。

参考資料