4. 消費者物価指数は消費税を含む価格で作られている|飲食料品の消費税1%との関係

消費税率が変わると、消費者物価指数の数字も動きます。指数がどのような価格で作られているかを確認しておきます。

4.1 消費者が実際に支払う価格を使っている

総務省統計局によると、消費者物価指数は、消費税分を含めた、消費者が実際に支払う価格を用いて作成されています。国際労働機関(ILO)の国際基準でも、消費税分を含めることとされています。

そのため、飲食料品の税率が8%から1%に下がると、税抜の価格が同じでも支払う額は下がります。たとえば税抜1000円の食品なら、1080円が1010円になる計算です。

4.2 過去の税率引上げでは影響を除いた指数も掲載されている

統計局は、消費税率の引上げが指数に一時的な大きな変動をもたらすことから、過去の税率引上げの影響を除いた「消費税調整済指数」を参考指数として掲載しています。

令和9年4月以降の食料の前年同月比には、税率が下がった分も含まれることになります。値段そのものの動きを見たいときは、税率の変更分が入っていることを念頭に置いて読む必要があります。

5. 消費者物価指数の生鮮食品を除く食料は、総合への寄与で動きが分かる

消費者物価指数の公表資料には、品目ごとの上昇率だけでなく、総合の上昇率にどれだけ影響したかを示す寄与度も載っています。生鮮食品を除く食料の数字を見ていきます。

5.1 生鮮食品を除く食料のウエイトは1万分の2375

指数を計算するときの生鮮食品を除く食料のウエイトは、1万分の2375です。2026年8月の前年同月比2.7%は、総合指数の上昇率に対して0.64ポイントの寄与になっています。

7月の寄与度は0.72ポイントでした。食料の値上がりは続いているものの、8月は7月より上昇の勢いが弱まった形です。

5.2 7月から8月にかけて、総合の上昇幅を0.07ポイント縮めた

生鮮食品を除く総合の前年同月比は、7月の1.8%から8月は1.7%に縮みました。総務省統計局は、その内訳として、生鮮食品を除く食料により総合の上昇幅が0.07ポイント縮小したと説明しています。

同じ資料では、電気代やガソリンの下落幅が広がったエネルギーが0.09ポイント、通信料(携帯電話)が0.07ポイント、上昇幅を縮めたとされています。

6. 飲食料品の消費税1%の対象かどうかはレシートの表示で確かめられる

1%の対象になるのは、いま8%の対象になっている品目です。買い物の段階でどの品目が対象かを見分ける手がかりがあります。

6.1 「軽減税率の対象品目である旨」の表示がそのまま使われる

国税庁のQ&Aによると、1%の対象の飲食料品は軽減税率の対象でもあるため、請求書等には「軽減税率の対象品目である旨」を記載すれば足りるとされています。「税率1%の対象品目である旨」を新たに書く必要はありません。

いまのレシートで軽減税率の印が付いている品目が、令和9年4月からの1%の対象と重なると考えるとわかりやすいでしょう。

7. まとめ

9月15日に閣議決定された大綱は、「現下の物価の上昇に鑑み」、飲食料品の消費税率を令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間、1%に引き下げるとしました。対象は、いま8%の軽減税率が適用されている飲食料品です。

9月18日公表の2026年8月の消費者物価指数では、食料が前年同月比3.1%、生鮮食品を除く食料が2.7%の上昇でした。引き下げは法案が成立した場合の内容なので、詳しい取扱いは国税庁の特設サイトや最寄りの税務署で確認してみましょう。

参考資料

中本 智恵