総務省統計局は2026年9月18日、2026年8月分の全国消費者物価指数を公表しました。生鮮食品を除く食料は前年同月比2.7%の上昇で、総合の1.9%を上回っています。
その3日前の9月15日に閣議決定された大綱は、「現下の物価の上昇に鑑み」、飲食料品の消費税率を令和9年4月から2年間に限って1%に引き下げるとしました。
この記事では、給付付き税額控除までのつなぎとされる消費税率の引き下げのしくみと、8月の消費者物価指数に表れた食料の値上がりを確認します。
なお、給付付き税額控除の背景については、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 給付付き税額控除のつなぎとされる、飲食料品の消費税率の特例のしくみ
大綱は、給付付き税額控除にあたる就業者負担軽減支援金を令和11年度に本格導入するまでの「つなぎ」として、飲食料品の消費税率を引き下げるとしています。まずは、対象になる品目と税率の組み立てを確認します。
1.1 対象は、いま8%の軽減税率が適用されている飲食料品
大綱は、特例の対象を「現行の軽減税率の適用対象となっている飲食料品」としています。国税庁によると、飲食料品とは食品表示法に規定する食品をいい、酒類は含まれません。
外食やケータリング等も軽減税率の対象外です。大綱は、軽減税率の対象になる飲食料品の範囲について、現行制度を維持するとしています。
1.2 1%は消費税率0.78%と地方消費税率0.22%相当の合計
国税庁のQ&Aによると、引き下げ後の1%は、消費税率0.78%と地方消費税率0.22%相当を合わせた税率です。いまの軽減税率8%は、消費税率6.24%と地方消費税率1.76%で成り立っています。
消費税がかかる背景については、LIMOの記事「【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュール」で次のように説明しています。
この制度が強く求められている背景には、消費税の「逆進性」という問題があります。消費税は一律でかかるため、所得が低い人ほど、収入に占める税負担の割合が大きくなってしまいます。
出所:【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュール
2. 飲食料品の消費税は「令和9年4月から2年間」1%に|物価の上昇を受けた臨時的な引き下げ
飲食料品の消費税率が1%になる期間と、その理由として大綱に書かれている内容を見ていきます。引き下げは期限のある措置です。
2.1 大綱は「現下の物価の上昇に鑑み」と書いている
大綱の第二は、飲食料品に係る消費税率の特例について、次のように定めています。
現下の物価の上昇に鑑み、令和9年4月1日から令和11年3月31日までの間に事業者が国内において行う飲食料品(略)の譲渡(略)及び保税地域から引き取られる飲食料品(略)について、消費税の税率を0.78%とする特例を創設する(地方消費税率と合わせて1%。以下「特例税率」という。)。
出所:内閣官房「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱(令和8年9月15日閣議決定)」
大綱の第一「目的」でも、飲食料品に係る消費税率を「臨時的に2年間に限り引き下げる」と書かれています。
令和9年4月から2年間だけ、飲食料品の税率が1%になります1/2
出所:内閣官房「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」、国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」を参考にLIMO編集部作成
2.2 令和11年4月からは8%に戻る
1%が適用されるのは、令和9年4月1日から令和11年3月31日までに行われる飲食料品の譲渡です。国税庁のQ&Aでは、令和11年4月1日以後の適用税率は8%と示されています。
国税庁と財務省は9月15日に「消費税率引下げ特設サイト」を開設しました。ただし、掲載されている内容は、法案が国会で可決・成立した場合のものとされています。
3. 2026年8月の消費者物価指数から見る食料の値上がり
大綱が引き下げの理由に挙げた「物価の上昇」は、消費者物価指数で確かめられます。9月18日に公表された2026年8月分(2025年基準)の結果を見ていきます。
3.1 総合は1.9%、生鮮食品を除く食料は2.7%の上昇
2026年8月の総合指数は102.2で、前年同月比1.9%の上昇でした。生鮮食品を除く総合は1.7%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は1.9%の上昇です。
食料は前年同月比3.1%、生鮮食品は6.0%の上昇でした。生鮮食品を除く食料は2.7%の上昇で、7月の3.0%から上昇幅が縮んでいます。
3.2 生鮮魚介や飲料、菓子類の上昇が大きい
総務省統計局は、総合指数の前年同月比に寄与した食料の主な内訳として、6つの中分類を挙げています。生鮮魚介は13.5%、飲料は6.0%の上昇でした。
図に入れた前年同月比を、あらためて書き出します。
- 総合:1.9%
- 食料:3.1%
- 生鮮食品を除く食料:2.7%
- 生鮮魚介:13.5%
- 飲料:6.0%
- 生鮮野菜:5.5%
- 菓子類:5.0%
- 調理食品:3.3%
- 外食:2.1%
品目では、まぐろが24.4%、緑茶が31.5%、キャベツが45.0%、からあげが10.0%の上昇として挙げられています。
物価の数字は、前の年の同じ月と比べた上がり幅です。令和9年4月以降に家計簿を前の年と比べるときは、税率が下がった分と値段そのものの動きを分けて見ると、食費の変化がつかみやすくなります。

