その上司は、「誰もが名を知る外資系金融に勤めていた人なのに謙虚で控えめ。チャーミングなところもあって優しい。昔は怖かったというけれど、今の姿をみているとそんな風には思えない」と言います。

そんな上司ですが、「毎日早朝に会社に来て色々と勉強している。本を読んでいたり、文献を読んだり、毎週1、2回は各地の講演会に顔を出して話を聞いている。それを部下に『先日面白い講演会に行ってきたので、ちょっとだけお話しますね』と、賢い頭で噛み砕いだことを私たちにもわかりやすく伝えてくれる」とのこと。

優しくて頭もいい、しかも色々と興味深い話をシェアしてくれるなんて最高の上司ですよね。忙しい中で講演会に足を運んでいるのも素敵です。立派な経歴があるのに、まだ自己研鑽を続けているというのも憧れの上司像そのものです。私たちも自己研鑽の気持ちを失わずにいたいものですね。

自分たちのためにいつも全力を尽くしてくれる人

20代のDさんの上司は、「私たちのことを常に考えてくれて、全力を尽くしてくれる人」なのだそう。Dさんが転職して、初めての評価面談の時にびっくりしたと言います。

「正直、要領が掴めずに適当に書いて提出した人事評価シートを、細かく見てくれて『こういう風に書いてほしい』『そのほうがこれを見た経営陣の人たちにあなたの成果が伝わるよ』とアドバイスをくれた。また、『こういうこともやってくれたし、ああいうこともやってくれたよね、そういうところはすごいと思うよ』と、自分でも覚えていないような細かいことも覚えてくれていて、あなたの強みだからと教えてくれた。あんなにモチベーションの上がる評価面談があるのかとびっくりした」と、Dさんは感激した様子で話してくれました。

また、Dさんの後輩の女性社員が失敗を他部署に責められたときにも「すぐに彼女に話を聞いて、事態を整理してくれた。そのうえで迷惑をかけた他部署に丁重に謝罪し、その尻ぬぐいを懸命にしてくれた」と言います。「みんなが快適に仕事できるような環境にするのがオレの仕事だから」というのが口癖で、心から尊敬できる上司なのだとDさん。こんな上司がいたら、どんなに大変な仕事でも頑張れそうですよね。

まとめ

こうした話を聞くと、自分が同じ立場になったらそうはできないだろうと思うことがたくさんありますよね。その上司も、今の立場になるまでにたくさんの苦労をしてきたはず。私たちも同じ立場になったときに「尊敬できる上司」になれるように努力したいものです。

大塚 ちえ