4. 個人向け国債は3タイプとも年0.05%の下限があり、利子は半年ごとに受け取る
個人向け国債の利率には、3つのタイプに共通する決まりがあります。受け取る利子の時期とあわせて確認します。
4.1 基準金利が下がっても利率は年0.05%を下回らない
個人向け国債は、3つのタイプとも金利の下限が年0.05%です。財務省は、基準金利が低くなると利率がゼロやマイナスになるケースが出てくるため、最低でも年0.05%の金利を保証していると説明しています。
一方で、金利に上限はありません。変動10年は、基準金利が上がれば適用利率も上がります。
4.2 2026年9月募集分の利払日は4月15日と10月15日
利子は半年ごとに年2回支払われます。2026年9月募集分の利払日は、毎年4月15日と10月15日です。
利子を受け取るときには20.315%分の税金が差し引かれます。財務省の発行条件には税引後の利率も載っており、固定5年は1.7849440%、固定3年は1.5618260%、変動10年は1.5538575%です。
5. 個人向け国債は発行から1年たてば中途換金できる
満期まで持ち続けなくても、条件を満たせば途中で換金できます。高齢の世帯にとっては、ここが預け先を選ぶときの判断材料になります。
5.1 償還金額は中途換金のときも額面金額100円につき100円
個人向け国債は、発行後1年が経過すれば、いつでも中途換金ができます。償還金額は額面金額100円につき100円で、中途換金のときも同じです。
2026年9月募集分は発行日が2026年10月15日なので、中途換金ができるのは2027年10月15日からです。
5.2 直前2回分の利子相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれる
中途換金するときは、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれます。0.79685を掛けるのは、利子を受け取るときに20.315%分の税金が差し引かれているためです。
災害救助法の適用対象となった災害で被害を受けた場合や、保有者本人が亡くなった場合は、1年たつ前でも中途換金できる特例があります。
6. 預貯金の一部を個人向け国債に移す前に確かめたいこと
世帯主が65歳以上の無職世帯では、貯蓄の6割あまりが預貯金でした。そこから一部を個人向け国債に移すときに、先に押さえておきたい点を挙げます。
6.1 1年間は換金できないお金になる
個人向け国債は、特例にあたる場合を除いて、発行から1年間は中途換金できません。医療費や住まいの修繕など、近いうちに使うかもしれないお金は、普通預金などに残しておくほうが動かしやすくなります。
通貨性預貯金の766万円は平均値です。自分の世帯で毎月の生活費の何か月分を手元に置くかを決めてから、残りの置き場所を考える順番にすると迷いが少なくなります。
6.2 固定と変動のどちらを選ぶかで、利率が動くかどうかが変わる
固定5年と固定3年は、買ったときの利率が満期まで続きます。変動10年は半年ごとに利率が見直され、2026年9月募集分の年1.95%は2026年10月16日から2027年4月15日までに適用される利率です。
初めて購入するときは、取扱機関で国債の取引をするための口座を開く必要があります。金融機関によっては口座の管理手数料がかかる場合もあるため、申し込む前に確かめておくと安心です。
7. まとめ
家計調査の貯蓄・負債編によると、世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄は2494万円で、国債などを含む債券は57万円でした。貯蓄の6割あまりは預貯金が占めています。
個人向け国債の2026年9月募集分は、固定5年が年2.24%、固定3年が年1.96%、変動10年が年1.95%です。募集は9月30日までで、発行から1年たてば中途換金もできます。
預貯金の一部を移すかどうかは、手元に残すお金を決めてから考えると判断しやすくなります。
参考資料
- 総務省統計局「統計トピックスNo.149 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」
- 総務省統計局「家計調査≪貯蓄・負債編≫の概要」
- 財務省「個人向け国債の発行条件」
- 財務省「個人向け国債商品概要」
- 財務省「個人向け国債の金利についてのよくある質問」
和田 直子