9月下旬、国税庁が「令和7年分 民間給与実態統計調査」の結果を公表しました。1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円で、前年より1.9%増えています。

ただ、平均の487万円のあたりに最も多くの人がいるわけではありません。人数が最も多いのは「300万円超400万円以下」の帯です。令和3年分と比べると、年収1000万円を超える人も約80万人増えました。

この記事では、年収の金額帯ごとの人数を、国税庁の統計表をもとに確認します。記事後半では、令和3年分からの変化と、業種や勤め先の規模による差も取り上げます。

神田 翔平
ファイナンシャルアドバイザーとして現役世代の方とお話する機会があります。平均給与は年収の高い一部の人がいると、そのぶん上に引き上げられる数字です。自分の年収と照らし合わせるなら、平均額の前に「どの金額帯に何人いるか」を見ておくと、位置を見誤りにくくなります。

1. 平均年収487万円の近くに人は多い?最も多いのは「300万円台」の799万人

まずは、1年を通じて勤務した給与所得者5163万人が、どの金額帯にどれだけいるのかを見ていきましょう。

令和7年分の給与階級別の構成比。最も多いのは300万円超400万円以下の15.5%1/4

年間給与の金額帯別の割合(令和7年分・男女計)

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」をもとにLIMO編集部作成

1.1 300万円台が15.5%、400万円台が15.3%

最も人数が多いのは年間給与300万円超400万円以下の帯で、799万人(構成比15.5%)でした。次に多いのが400万円超500万円以下の792万人(同15.3%)です。

平均の487万円は、このうち400万円台の帯に入ります。平均より少し下の300万円台にも、ほぼ同じだけの人がいるということです。

1.2 年収500万円以下で約6割、400万円以下でも半数近く

100万円以下から400万円超500万円以下までを合わせると3217万9000人で、全体の約6割を占めます。400万円以下で区切っても2426万1000人となり、半数近くの人が入ります。

人数が平均より下の帯に多く集まっているため、平均給与は「真ん中にいる人の年収」より高めに出やすくなります。平均に届いていないからといって、少数派とは限りません。

1.3 男性は400万円台、女性は200万円台が最も多い

男女別に見ると、男性は400万円超500万円以下の487万人(同16.6%)、女性は200万円超300万円以下の417万人(同18.7%)が最も多い帯でした。

平均給与は男性が597万円、女性が342万円です。男女で人数の山の位置が異なるため、自分と比べるときは同じ性別の分布もあわせて見ておくとよいでしょう。

平均給与の内訳や年齢階層別の金額は、「【平均給与】令和7年分は「487万円」に上がった。男性・女性、正社員と正社員以外はそれぞれいくら?」で取り上げています。

ここまでをおさらいすると、令和7年分の平均給与は487万円でしたが、最も人数が多いのは300万円超400万円以下の799万人(構成比15.5%)でした。年収500万円以下の人は約6割、400万円以下でも半数近くを占めます。

男女別では、男性は400万円超500万円以下、女性は200万円超300万円以下が最も多い帯です。平均と比べる前に、自分と同じ性別の分布のなかで、どの帯にいるかを確かめてみてください。

こうした給与分布を確認したら、次は「平均と比べてどうか」だけでなく、「今の収入で今後どのくらいの収入を目指したいか」を考えてみるのも一つです。昇給や転職、副業など収入を増やす方法を検討する場合は、現在の給与水準を基準に、どの程度の収入アップが必要なのかを具体的に整理すると、次の行動を考えやすくなります。

なお、令和7年分の平均給与の全体像については、下記の記事も参照しています。

【平均給与】令和7年分は「487万円」に上がった。男性・女性、正社員と正社員以外はそれぞれいくら?
【平均給与】令和7年分は「487万円」に上がった。男性・女性、正社員と正社員以外はそれぞれいくら?

記事後半では、令和3年分からの5年間で金額帯ごとの人数がどう動いたかと、業種や勤め先の規模による差を見ていきます。