国税庁の調査によると、日本で働く給与所得者の平均給与は477.5万円でした。男性の平均は586.7万円、女性は333.2万円です。多くの人が節目として意識する「年収600万円」は、この分布のどのあたりに位置するのでしょうか。
本記事の後半では、昇給して手取りが増えた方から届く「増えた分を何にどう回せばよいか決められない」というご相談を取り上げます。増えた分の配分について、IFAの神田 翔平が回答します。
1. 年収600万円超は給与所得者の24.9%。男女で26.5ポイントの差
それでは、年収600万円という金額は、現在の日本においてどの程度のポジションに該当するのでしょうか。
給与階級別の分布状況を確認すると、「600万円超」から「2500万円超」に該当する区分を合算した年収600万円超の割合は、全体で24.9%という結果でした。
これは、年収600万円をクリアしている層が、日本の給与所得者全体の上位約24.9%を占めるビジネスパーソンであることを物語っています。
さらに、この統計を男女という軸で細かく分析してみると、はっきりとした差異が見えてきます。
男性のみに絞った場合、年収600万円超に達している人の割合は36.2%にまで跳ね上がります。
その反面、女性だけに注目してみると、年収600万円超の割合はわずか9.7%という厳しい現実に直面します。
年収600万円は社会全体から見れば間違いなく高収入の部類に入りますが、とりわけ女性にとっては、いまだに到達することが極めて難しいラインであることがデータからも浮き彫りになっています。
2. 年齢による給与の伸び方は、男女でまったく違う
世間一般では、年齢を重ねて経験やスキルを積み上げるにつれて、給与も右肩上がりに増えていくイメージが強いかもしれません。
最近では大企業を中心に初任給を引き上げる動きが活発化しており、若い世代の待遇にも変化の兆候が現れていますが、世代ごとの平均給与の推移を掘り下げてみると、男女間で描かれるカーブはまったく異なるものになります。
男性の平均給与に関しては、年齢のステップアップに伴って綺麗に上昇していく傾向があります。
具体的な数字を追うと、25〜29歳では437.6万円ですが、30代や40代になっても順調に金額を伸ばし、55〜59歳で734.6万円に到達して最高潮を迎えます。この50代後半というライフステージにおいて、男性の平均給与は目安となる600万円を大きく超える形です。ただし、役職定年や定年退職を迎える時期である60〜64歳になると、604.4万円へと一気に減少する点に特色があります。
定年前後の家計や、実際の年金受給額についてはこちらの記事でくわしく解説しています。あわせてご参考ください。
老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額・年金月額・1カ月の生活費をデータで見る
これに対して、女性の年齢別のデータは全く違う様相を呈しています。女性の場合は25〜29歳時点で370.1万円となった後、55〜59歳の356.2万円を迎えるまで、全ての年代において350万〜370万円台の範囲で行き来するのみで、大半がフラットな状態のままです。女性における平均給与の最高値は25〜29歳時点の370.1万円であり、男性に見られるような50代に向けた劇的な給与アップは確認できません。
このように、30代以降は年齢を重ねるごとに男女間の所得格差がどんどん広がっていく仕組みになっており、歳を追うごとの年収増加という恩恵は、主に男性側のデータが牽引していることが窺えます。
