5. 申請の前に押さえておきたい注意点が3つある
妊婦のための支援給付は、申請の時期と定義に特徴があります。押さえておきたい点を整理します。
5.1 妊娠届の提出だけでは支給されない
この給付は、妊婦給付認定の申請にもとづいて支給されます。
多くの自治体では妊娠届出とあわせて手続きできますが、届出だけで自動的に振り込まれるわけではありません。窓口で認定の申請も行ったかどうかを確認しておきましょう。
5.2 流産・死産等の場合も対象になる
こども家庭庁は、流産・死産等の場合も支給の対象になるとしています。その場合は、流産等をしたことが医療機関等において確認された日以降に届け出ることができます。
つらい時期の手続きになりますが、対象から外れるものではない点は知っておきたいところです。
5.3 2回目の届出を忘れやすい
1回目の認定申請は妊娠届と同時に済ませられることが多い一方、2回目のこどもの人数の届出は出産予定日の8週間前からです。
産前休業の準備や入院の手配と重なる時期にあたるため、後回しになりがちです。1回目の申請の際に、2回目の届出がいつからできるかを窓口で確認し、予定に入れておくとよいでしょう。
6. 妊娠から出産までに使える制度を、一度に整理しておきたい
家計の相談では、妊娠・出産に関する制度が多く、どれに該当するのか分からないという声をよく聞きます。
整理すると、妊婦のための支援給付は妊娠期の負担を軽くするための給付、出産育児一時金は出産費用そのものへの給付、出産手当金は産休中の収入を補う給付、育児休業給付金は育休中の収入を補う給付です。それぞれ窓口も申請の時期も異なります。
市区町村の相談窓口では、保健師等が妊娠・出産に関する疑問に答えてくれます。給付の申請で窓口に行くときに、この整理をまとめて確認しておくと、あとの手続きが進めやすくなります。
7. まとめにかえて
妊婦のための支援給付は、2025年4月から法律にもとづく制度として実施されている経済的支援です。
妊婦給付認定後に5万円、妊娠しているこどもの人数の届出後に1人につき5万円が支給されます。申請の窓口は住民票のある市区町村で、妊婦等包括相談支援事業による面談とセットで実施されます。
制度に頼りきりにするのではなく、妊娠から出産、育児休業までの収支を早めに見通しておくことが欠かせません。そのうえで、時期ごとに使える制度を把握しておくと、手続きの取りこぼしを防げます。
参考資料
和田 直子