ここで今一度、過保護の意味を確認してみましょう。Goo国語辞書によると過保護とは「子どもなどに、必要以上の保護を与えること。または、そのようにされること」とあります。つまり、「子どもが自分でできることを、親が先回りしてやってあげること」。そのような状況を過保護と呼ぶのでしょう。

であれば、先ほどご紹介したママたちのエピソード、これは果たして「過保護」に該当するのでしょうか?筆者は「該当しない」と考えます。子どもが危険な目にあわないように、最低限の社会性が身につくようにある程度のサポートをしてあげる。これは必要なことです。

要は「自分の行為が自立心の妨げになっていないかどうか」。例えば、公園が非常に危険な道路を通らなければいけない場所にあるので送り迎えをしてあげる…これはOK。しかし公園で「ブランコは怪我をするからやめなさい」「ドッジボールはボールが当たると痛いから止めてサッカーにしなさい」などと、子どもが何をして遊ぶかを勝手に決めるのは過保護になるのではないでしょうか。

子どものことが心配になるのは当然。危険な目にあわないよう、必要な常識を身に付けられるよう先回りしたり、サポートしたりしてあげるのも当然。しかし、勇気を持って子どもの能力を信じてあげることも時には必要です。

そして、子どもの能力や自立心は千差万別。他の子は「これくらい平気」なことでも、我が子にとっては「全然平気じゃない…」と感じることだって多いのです。大切なのは「我が子がどこまでできるか」を見極めて、自分でできること、できそうなことは極力やらせてあげること、だと思います。

まとめ

あまりにも過保護になってしまうと、子どもは「自分で考えて行動する」意欲をなくしてしまいます。だからといって、「経験が大切」とばかりに放置してしまうのも考えもの。大切なのは、サポートしてあげるべきこと、自分で考えてやらせるべきところの見極め。

今一度、過保護の定義をしっかりと脳裏にインプットして、自分の子育てを振り返ってみましょう。
そして、「自分は適切なサポートをしているだけだ」と思えるのなら、周囲の「過保護だ」という雑音を気にする必要なないのです。

大中 千景