4. 生活保護は世帯の収入が最低生活費に届かないときに差額を補う

生活扶助費の額は、そのまま振り込まれる金額ではありません。生活保護の保護費がどう決まるのかを確認しておきます。

4.1 保護費は最低生活費から収入を差し引いた額

厚生労働省は、最低生活費と世帯の収入を比べて、収入が最低生活費に満たない場合に、その差額を保護費として支給すると説明しています。

最低生活費には生活扶助のほか、家賃にあたる住宅扶助なども含まれます。年金や給与などの収入がある世帯では、その分だけ保護費が少なくなります。

4.2 医療扶助は医療機関に直接支払われる

扶助は生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8種類です。

このうち医療扶助と介護扶助は、医療機関や介護事業者に直接支払われます。保護開始前にどの医療保険に入っていたかにかかわらず、保護を受けている間の医療は医療扶助でまかなわれます。

5. 生活保護を受けている世帯の55.2%は高齢者世帯

保護が開始された人の年齢別の内訳を見てきましたが、保護を受けている世帯全体ではどのような構成になっているのでしょうか。同じ被保護者調査の令和6年度確定値で確かめます。

5.1 被保護実世帯は1か月平均で165万674世帯

令和6年度の被保護実世帯は1か月平均で165万674世帯、被保護実人員は200万8061人でした。保護率は1.62%です。

5.2 高齢者世帯の大半は単身世帯

保護停止中の世帯を除いた164万1902世帯を世帯類型別に分けると、次のとおりです。

  • 高齢者世帯:90万5933世帯(55.2%)
  • うち単身世帯:84万2743世帯(51.3%)
  • うち2人以上の世帯:6万3190世帯(3.8%)
  • 障害者・傷病者世帯:41万2849世帯(25.1%)
  • その他の世帯:26万944世帯(15.9%)
  • 母子世帯:6万2176世帯(3.8%)

高齢者世帯の9割あまりが単身世帯です。単身世帯の生活扶助費を先に確認したのは、このためです。

6. 生活保護の申請から決定までは原則14日以内

医療保険に入っていたかどうかにかかわらず、保護を受けるには申請が必要です。申請したあとの流れは生活保護法に定められています。

6.1 生活保護法第24条が通知の期限を定めている

生活保護法第24条は、保護の実施機関が申請を受けたら保護の要否などを決定し、書面で申請者に通知しなければならないと定めています。通知には決定の理由を付けます。

通知は申請のあった日から14日以内が原則です。扶養義務者の資産や収入の調査に日時を要する場合などは、30日まで延ばすことができます。

6.2 申請書には収入と資産の状況を書く

同じ第24条は、申請書に保護を受けようとする理由や、要保護者の資産と収入の状況などを記載すると定めています。年金や給与の額、預貯金の残高が分かるものを手元にそろえておくと、記入しやすくなります。

窓口は住んでいる地域の福祉事務所です。家族と暮らしている場合は、世帯の収入をまとめて確認することになるため、事前に家族とも話し合っておくと安心です。

7. まとめにかえて

令和6年度に生活保護の保護が開始された24万2727人のうち、49.4%は国民健康保険に加入していました。医療保険未加入は13.2%で、40〜49歳では18.5%にのぼります。

10月1日から適用される単身世帯の生活扶助費は、65歳~69歳で3級地-2の6万8850円から1級地-1の7万6880円までです。75歳以上は6万3400円から7万1900円でした。

自分の地域の級地や具体的な額は、福祉事務所で確かめられます。書面で届く決定通知も含め、内容は家族と一緒に確認しておきましょう。

参考資料