医療機関で働くCさんの職場には、苦手に思う相手がいました。「小言が多く、周囲からも嫌われていたので自分も自然と苦手だと思うようになっていた」というその相手は、看護師を束ねるリーダーの立場。言うことは正しいけれど、指示以外の小言が多く若い看護師には特に口うるさい人だと言います。

「でも、周囲から孤立していて誰からも頼りにされていないからチャンスだと思った」とCさん。自分から敢えて近づいたと言うのです。

「経験豊かだし、キャリアもあるから真剣に話を聞けば本当にいろんなことを教えてくれる。孤立しているから私に教えてくれる時間も多くなって、ずいぶん仲良くなった。親しくなればあれは小言なんかじゃなくて、私たちのタメになるようなことを言ってくれていたんだと気づけたし、お茶目なところがあるのもわかった。患者さんに好かれて信頼されているし、医師からも疎まれるけれど実力はあるから難しい患者さんはなんだかんだ任される。本当に学ぶことが多かった」とCさんは力説してくれました。

自分から心を開くというのも非常に大事なことですし、年長者から学べることもやはりたくさんあります。そういう機会を大事にしたいですよね。

「恋愛のイザゴザ」は自ら相談に乗って解決

金融機関勤務のDさんは、ある後輩女性の恋愛のイザゴザに巻き込まれたことがあると言います。「私の同僚の男性のことが好きで、その同僚男性と私が仲が良さそうなのに嫉妬したその子に恨まれていた」とのこと。同僚だから仲がいいのは当たり前ですが、Dさん自身は彼に興味がなく、その恋愛の揉め事に巻き込まれたくなかったと言います。

Dさんは「恨まれていることは気付かないフリをして、自分から後輩の女の子数人をランチに誘った。困っていることがないかと訊くと、後輩の女の子が同僚の彼を好きだと打ち明けてきた。当然計算のうちだったので、恋愛相談に乗ってあげて、彼の趣味やデートに誘ったら来てくれそうなスポットなどを紹介。デートの約束を取り付けるまで協力してあげたら、彼女からの疑いはすべて晴れて、あっという間に私のことを慕うようになってくれた」と言います。

「結局同僚の彼と後輩の女の子はうまくいかなかったけれど、そこから彼女とは仲良くなって、支店が離れた今でも飲みに行く」と笑うDさん。さすが先輩、Dさんの1枚も2枚も上手で戦略的な行動には頭が上がりませんね。

まとめ

彼女らは皆、先を読みつつ戦略的に人間関係トラブルの解消に努めていることがわかります。人の心なので思い通りにいかないこともあると思いますが、彼女たちのように冷静に人間関係を見つめて作戦を練ることで解決の糸口が見えてくるのではないでしょうか。

大塚 ちえ