5. 年金生活の医療費不安に備える3つの防衛策
年金を中心とした生活の中で、将来の医療費への不安を少しでも和らげるために、私たちが今からできる具体的な対策を3つご紹介します。
5.1 防衛策1:高額療養費制度(自己負担の上限額)を正しく理解する
ひと月にかかった医療費の自己負担額が一定の基準を超えた場合、超過分が後から払い戻される制度です。所得に応じて上限額が設定されているため、万が一大きな病気で長期の入院や高額な手術が必要になっても、青天井で医療費がかかるわけではありません。この制度を知っておくだけでも、漠然としたお金の不安は大きく軽減されます。
5.2 防衛策2:家計簿に「医療費・健康維持費」の専用枠を作る
生活費の予算を立てる際、食費や光熱費だけでなく、最初から「医療費」の枠を毎月確保しておくことが大切です。定期的な通院だけでなく、突発的な体調不良にも慌てずに対応できるようになります。余った分は翌月に繰り越すなど、柔軟に管理しましょう。
5.3 防衛策3:日常的なフレイル(心身の衰え)予防を心がける
お金の準備以上に大切なのが、健康寿命を延ばすことです。地域のコミュニティに参加して会話を楽しんだり、無理のない範囲でウォーキングを続けたりすることが、結果的に将来の医療費負担を抑える最高の防衛策となります。
6. まとめにかえて
今回は、令和6年度における後期高齢者医療制度の最新の財政状況と、75歳以上の皆様の生活の実態について解説しました。被保険者が2039万人に拡大し、医療費の支出が増加し続ける中、年金を中心とした生活のなかで多くの方が制度に支えられながら通院や治療を続けています。私自身、親の世代の医療制度について深く知ることで、社会全体で支え合う仕組みのありがたさと、個人でできる備えの重要性を改めて実感しました。将来の安心のためには、制度の正しい知識を持ち、日頃から心身の健康と家計のバランスを意識して生活していくことが何より大切だと考えます。
参考資料
川勝 隆登