厚生労働省が公表した「令和6年度 国民健康保険事業年報」によると、被保険者1人当たりの保険料(税)調定額は年10万7856円となり、前年度から6.79%増加しました。
本記事では、国民健康保険の加入者動向をはじめ、令和8年度からの制度変更点(「子ども・子育て支援金分」の追加による4区分化や賦課限度額の改定)、自治体ごとの計算方式の違い、通知書が届いた際に必ず確認すべきポイントまで分かりやすく解説します。
1. 【2026年9月公表】国民健康保険料の1人当たり調定額は年10万7856円だった
厚生労働省は2026年9月9日、令和6年度の国民健康保険事業年報を公表しました。
市町村の国民健康保険で、被保険者1人当たりの保険料(税)現年分調定額は年10万7856円でした。
1.1 1人当たりの調定額は1年で6.79%増えた
令和5年度の10万997円から6.79%増えています。1世帯当たりでは15万5461円で、こちらは5.09%の増加でした。
直近5年をたどると、1人当たりの調定額は令和2年度の9万6625円から令和6年度の10万7856円まで、1万1231円増えたことになります。
伸び方は一定ではありません。令和2年度から令和5年度までは年1%前後の動きでしたが、令和6年度だけが6.79%と大きく動いています。
1.2 収納率は93.99%だった
令和6年度の収納率は93.99%で、令和5年度の94.20%からわずかに下がりました。
調定額は「納めるものとして決まった額」で、実際に納められた額とは別のものです。100人のうち6人分ほどが未納として残っている計算になります。
2. 国民健康保険に加入するのはどんな人か
金額の話に入る前に、国民健康保険がどんな制度なのかを確認しておきます。
2.1 職場の健康保険に入っていない人が対象になる
国民健康保険は、自営業の方やフリーランスの方、退職して職場の健康保険を抜けた方などが加入する医療保険です。
保険者は市町村と都道府県で、このほかに医師や建設業などの同業者が集まってつくる国民健康保険組合があります。
職場の健康保険や後期高齢者医療制度に入っていない方は、原則として国民健康保険の被保険者になります。
2.2 加入者は2527万9609人で、4割近くが前期高齢者
令和6年度の国民健康保険の被保険者数は、市町村と国民健康保険組合を合わせて2527万9609人でした。前年度から4.29%減っています。
このうち65歳以上75歳未満の前期高齢者は1004万9150人で、全体の39.75%を占めます。70歳以上に絞っても602万2860人で、23.82%にのぼります。
市町村の国民健康保険だけを見ると、世帯数は1577万9780世帯、被保険者数は2274万4580人でした。1世帯当たりの被保険者数は1.47人です。
被保険者が減り続けているのは、75歳になった方が後期高齢者医療制度へ移っていくことが大きな理由です。
3. 国民健康保険料は令和8年度から4区分になった
ここからは、保険料がどのように決まるのかを見ていきましょう。
3.1 3つの区分に「子ども・子育て支援金分」が加わった
国民健康保険料はこれまで、医療給付費に充てる基礎賦課額、後期高齢者医療制度を支える後期高齢者支援金等賦課額、40歳から64歳の方が負担する介護納付金賦課額の3つに分かれていました。
令和8年度からは、これに子ども・子育て支援金分が加わって4区分になっています。
それぞれの区分について、所得に応じて計算する部分と、加入者の人数や世帯に応じて計算する部分を組み合わせて保険料が決まります。
3.2 賦課限度額は109万円から110万円に引き上げられた
保険料には上限があり、これを賦課限度額と呼びます。所得がいくら多くても、この額を超えて課されることはありません。
従来の3区分の合計は、令和7年度の109万円から令和8年度に110万円へ引き上げられました。内訳は基礎賦課額が66万円から67万円に上がり、後期高齢者支援金等賦課額26万円と介護納付金賦課額17万円は据え置かれています。
引き上げられるのは上限に届く高所得の世帯だけなので、多くの世帯の保険料はこの改定では動きません。