4. 【FP視点】保険料の変化は「手取り年金額」で確かめたい

公的年金は、額面の年金額がそのまま口座へ振り込まれるとは限りません。後期高齢者医療保険料のほか、介護保険料や住民税、所得税などが年金から差し引かれる場合があります。

日本年金機構から送付される「年金振込通知書」には、年金から特別徴収される後期高齢者医療保険料や、税金・社会保険料を差し引いた後の「控除後振込額」が記載されます。

先ほどの、保険料が増額となる場合のシミュレーションを例に見ていきましょう。シミュレーションでは、本徴収に変わると後期高齢者医療保険料の天引き額が4736円増えました。天引き額が増えるため、税金やそのほかの社会保険料に変化がなければ、10月からの手取り年金額は8月と比べて4736円少なくなります。

人によっては、介護保険料や税金が本徴収の始まるタイミングで変更となることもあるでしょう。その場合は、手取りがさらに変わる可能性もあります。年金の振込額が8月から変動があった場合は、税金・社会保険料の控除額を見て、どのお金に変化があったのか確かめておきましょう。

加えて、年金は2カ月分がまとめて振り込まれる仕組みです。1回の振込額だけでなく、そこから次の支給日までに使える生活費を確認しておくのも重要です。

5. まとめ

2026年度の後期高齢者医療保険料の全国平均は、医療分が月7989円、子ども分が月194円です。合算すると、月8183円、年額では9万8208円となります。

年金から保険料が天引きされる特別徴収では、4月・6月・8月が「仮徴収」、10月・12月・翌年2月が「本徴収」に分かれています。本徴収額は年間保険料から仮徴収済みの金額を差し引いて決まるため、10月15日の年金から天引きされた金額が8月までと違っていたら、本徴収に切り替わったためかもしれません。12月・翌年2月も、原則として同じ額が差し引かれます。

自治体から届く保険料額決定通知書や日本年金機構の年金振込通知書を確認し、年間の保険料だけでなく、実際に受け取れる「手取り年金額」も把握しておくとよいです。

参考資料

石上 ユウキ